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晩酌を楽しむような気持ちで日々の思いを書き綴りたいと思います。


by icewine5

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デンマーク・ロイヤル・バレエ団「ロミオとジュリエット」

4ヶ月ぶりのバレエ観劇は9年ぶりに来日したデンマーク・ロイヤル・バレエ団のプロコフィエフ作「ロミオとジュリエット」です。
昨年夏のエトワール・ガラでジョン・ノイマイヤー振り付けの「マーラー 交響曲第5番 アダージェット」がとても素敵だったので(感想はこちら)、今回の振り付けがノイマイヤーだと知ってとても楽しみにしていました。

「ロミオとジュリエット」はバレエ作品の中では最も好きなものの一つなので、何度か生で鑑賞しています。
最初はロシア国立ボリショイ・バレエ団1993年来日公演、その次は10年後の2003年にマリインスキーバレエ団、そして今回がデンマーク・ロイヤル・バレエ団。
あとは、手元にパリ・オペラ座バレエ団のロミジュリDVDがあります。

パリ・オペラ座バレエ - ロミオとジュリエット

ルグリ(マニュエル) / ワーナーミュージック・ジャパン


というわけで、ダンサーや振り付け、監督、舞台装置や衣装によって、色々と違いをみるのも楽しみの1つでした。
といっても、そんなに多くのバレエ作品を観ているわけではないので、振り付けがどうこうとかダンサーのレベルがどうだといった専門的な事は何もわかりません^^;
以下はあくまでもミーハーな感想です。

デンマーク・ロイヤル・バレエそのものは今回、初めてだったので、知っているダンサーも全然いなくて、どんな感じなのか興味津々でしたが、ジュリエット役のクリスティーナ・ミシャネックがとても可憐な雰囲気で演技も若々しく役にぴったりあっていました。

この日の配役では当初の予定だとフェムケ・メルバッハ・スロットだったようですが、来日前に配役変更になったようです。
「デンマーク・ロイヤル・バレエ団芸術監督ニコライ・ヒュッベの強い意向により、当初発表しておりましたジュリエット役が変更となっております。」(NBS日本舞台芸術振興会HP、および当日の配役表より)

怪我や病気で配役変更というのはよく聞くけれど、「監督の強い意向」というのは、なんかすごいな^^;。私の場合、初めて見ました。
映画「エトワール」でダンサーの熾烈な世界が語られていましたが、主役を勝ち取るのは大変な事ですね。

このヒュッベ監督と今回の2つの演目(もうひとつは「ナポリ」)についての紹介がフィガロP112の「舞台」ページに紹介されていました。女性誌は滅多に買わないのですが、これはたまたま表紙のフランス女優マリオン・コティヤールに惹かれてなぜか持っていました。

madame FIGARO japon (フィガロ ジャポン) 2009年 5/5号 [雑誌]

阪急コミュニケーションズ


衣装は全体にシックで洗練された印象をうけました。
ジュリエットは結婚の時以外はほとんど白い清楚な衣装だったし、ロミオは上が青で下が白と、大変シンプル。
キャピュレット家の舞踏会シーンでも主要人物以外のその他大勢は黒っぽい衣装が多かったように思います。
といっても、決して地味というわけではなく、黒いマントの裏側が赤だったりと、渋い派手さといった感じでしょうか。
なにしろ、この前観たマリインスキーの衣装は、男性の場合、右足と左足で色や柄が違ったりとピエロみたいにカラフルだったのが結構強烈だったので、どうしてもそれと比べてしまいます。

公演プログラム内の「新しいドラマトゥルギー ―ホルスト・ケーグラーが語るジョン・ノイマイヤーの『ロミオとジュリエット』(1974年)」によると、ノイマイヤーは物語の舞台設定をシェイクスピアのそれよりも120年前の1476年、初期ルネッサンスに設定しているようで、衣装からそれがわかると書かれていました。

さて、このノイマイヤー振り付けのロミジュリですが、第一幕から三幕全体を通して、これまでに観たものと何だかちょっと違うように感じたことがあります。
それはダンスが流れるように進んでいくということ。
ロミジュリってこんなに途中で拍手しない作品だったっけ?と思うぐらい、普通だったら、見せ場の要所要所で起こるであろう拍手のタイミングが今回の場合はありませんでした。
もちろん、全然、悪い感じではなくて、その分、演技が途切れないので集中して見続けることができたし、なにしろ大変素敵な踊りなのでずっと見蕩れておりました♪

流れるように進む感じがするもう一つの要因として、全体に踊りがとても軽やかでのびやかなこともあるのかなと思いました。
この作品の場合、プロコフィエフの大仰な音楽のせいもあって、例えば舞踏会やお祭りシーンなどは、ダンスももっとしゃちほこばってオーバーアクションだという先入観がありました。

そのため、パ・ド・ドゥなんかは優美で思い描いていたとおりのイメージだったのですが、お祭りや舞踏会のシーンは最初のうちはちょっと違和感がありました。
終演後、プログラム内の上記ホルスト・ケーグラーのエッセイを読んでみたところ、納得。
「ノイマイヤーはその際、ラヴロフスキー-プロコフィエフ版のオリジナル・リブレットからごっそり、パントマイム的な身振りという、余計な贅肉を取り除いてしまった。このおかげで、彼の『ロミオとジュリエット』は、踊りがずっと軽やかで流動的になり(以下略)」
なるほど、こういうことだったんですね!
私が以前観た、マリインスキー・バレエ団のがまさにそのラヴロフスキー。道理で全然違って見えたわけです。

ノイマイヤー振り付けで面白いなと思ったことがもうひとつあります。
「余分な贅肉を取り除いた」一方、旅芸人の一座を使って、説明が必要な部分をうまく表現していました。
例えば、僧ローレンスがジュリエットに仮死状態になる薬を渡すところで、旅芸人たちがロミオをジュリエットに扮して、毒薬の意味について演じることで、これが本当の毒薬ではなくて仮死状態になる薬なんだと予備知識の無い人が見てもわかるようになっていました。

そして、ノイマイヤーで一番楽しみにしていた第一幕第六場バルコニーの情景と第三幕第一場寝室のパ・ド・ドゥは本当に美しくて眼福でした。
舞台もちゃんと2階建てバルコニーになっていました。
地上のロミオが、バルコニー上で躊躇するジュリエットの元に駆け上って求愛するシーンのロマンチックなことといったら!
ジュリエットの恥じらいやためらいの様子がちゃんと表現されていたのも良かったです。
このシーンの音楽は何度聴いてもいいですね~

二人の別れとなる寝室のパ・ド・ドゥは昨年のエトワールガラでノイマイヤー振り付けでシルヴィア・アッツォーニ、バンジャマン・ペッシュが演じるのを観ているのですが、やはりダンサーや舞台が変わると随分違った印象になるものだと思いました。

あの時はとにかくバンジャマン・ペッシュが色っぽくて、結構生々しい「その後」感(笑)があったのですが、今回の場合は、ジュリエット役のクリスティーナ・ミシャネックがとにかく可愛らしくて初々しい雰囲気で、あどけなさの表現が絶妙なので、生々しい感じはほとんどしませんでした。
なんかおとぎ話みたいで、この二人のロミジュリも本当に良かった!

第三幕第一場ジュリエットの死。
このシーンもこれまでに観た舞台とは違って、キャピュレット家とモンタギュー家の和解の場面はなしでした。
その分、ジュリエットが嘆き悲しむ場面がたっぷりあって、最後も二人きりなので、彼らの死に焦点が充分あてられたように思いました。

ただ私個人の好みとしては、最後に両家の和解のシーンがある方が好きかも。

マリインスキー・バレエのラヴロフスキー版では死んだ二人を挟み、中央に立った僧が仲介役となって両家の当主が剣を置き、手を取り合うのですが、その光の影が二人の上に十字架のように映し出されたのが印象的でした。

さらにその前のボリショイ・バレエ(振り付けはユーリー・グリゴローヴィチ)では、寄り添って亡くなった二人のベッドが最後に客席に向けて立ち上げられ、それがまるで絵画のように美しくて鳥肌ものでした。

この最後について、公演プログラム内の「プロコフィエフ×物語バレエ『ロミオとジュリエット』の誕生」(小町直美)で、プロコフィエフがこの作品をつくるまでの経緯を解説しているのですが、最初の台本では二人が生き残るハッピーエンドだったと知って、のけぞりました(笑)。
ロミオとジュリエットで、幸せな結末なんてありえない~
ラヴロフスキーがこれに反対して、プロコフィエフも同意して音楽を書き換えたそうですが、もしもハッピーエンドのままだったとしたら、この作品、ここまで人気はでなかったでしょうね。

やっぱり、ロミオとジュリエットは何度観ても良いです。来年6月は英国ロイヤル・バレエ団の来日公演で同作品があるそうで、これもチケット取りたいです。
by icewine5 | 2009-05-24 16:50 | 観劇・音楽鑑賞・博物館