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晩酌を楽しむような気持ちで日々の思いを書き綴りたいと思います。


by icewine5

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ドリアン・グレイの肖像

世田谷パブリックシアターで公演中の「ドリアン・グレイの肖像」を観てきました。

目的は一応、山本耕史くん。
何度も書いていてしつこいですが、私は山本土方ファンだけど本人の信者ではないので、彼の出演したものなら何でも手放しで好きになることはありません。
「陽炎の辻」すら見忘れるぐらいだから、そもそもファンとは言えないかもしれませんが。

彼のミュージカルは2回見て(両国でやったのと、スピードの女の子と共演したもの)、私には何一つ感じるものが無かったので、それ以降のミュージカルは全く見る気もしませんでしたが、今回は、ストレートプレイということで、久しぶりの生・耕史くんを楽しみにしていました。

ドリアン・グレイの画像 (岩波文庫)

ワイルド / 岩波書店

オスカー・ワイルドの原作については、昔、作品について高校か大学の授業で取り上げられた記憶があって、読んだことは無いけど、粗筋は知っているという程度。

ただ、主人公の名前については、別の意味で馴染みがあります。
ドリアン・グレイで思い浮かぶのは、青池保子さんの「エロイカより愛をこめて」の登場人物「ドリアン・レッド・グローリア伯爵」。
お耽美な伯爵の名前をドリアン・グレイからとったのは、エロイカファンにはよく知られていることw
グレイだと地味だからレッドにしたんだとか(笑)

エロイカより愛をこめて (34) (プリンセスコミックス)

青池 保子 / 秋田書店


とまあ、そんな程度の知識しか持ち合わせていないので、ほぼ白紙の状態での観劇でした。
以下、多少ネタばれありで、良かった点、不満だった点などをいくつか書いておきます。

お芝居全体は起承転結が分かりやすく、きちんと丁寧に作りこまれており、なかなかの満足度でした。
約2時間という短い上演時間で、どこまで作品の意図するところを表現できるのか、観劇前はそれほど期待していませんでしたが、話の展開の時間配分もほど良く、良質なお芝居だと思いました。

舞台演出もあまりゴテゴテしておらず、19世紀末という時代をあまり感じさせないところが逆によかったような気がします。
また、徐々に醜くなっていく肖像画がどのように表現されるのかも、観劇前に気になっていたところでした。
黒いキャンバスにはあえて肖像らしきものは描かれておらず、役者の演技と舞台演出、音楽などで、観客にちゃんと肖像画がどうなっていったのか分かるようになっていたのは、さすがでした。
某「華麗なる一族」みたいに貧相でへたくそな肖像画が出てきたら興醒めだと思っていましたが、杞憂に終わって良かったです^^;

音楽もピアノの舞台音楽が自分の好みに合っていて、良かったです。
印象に残っているのは、ドリアンが時々、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」を口ずさんでいたこと。
どういう意図でこの曲にしたのか、芝居の間、ずっと気になっていました。
原作を読んでいないから分からないけど、ラヴェルの方がオスカー・ワイルドより少し時代が後なので、今回のお芝居オリジナルのエピソードなのかもしれません。

ラヴェル:ピアノ曲全集 第2集

フランソワ(サンソン) / EMIミュージック・ジャパン


ラヴェルに関連して、このお芝居で流れるピアノ伴奏の和音がラヴェル風だったのも劇中でドリアンが「亡き王女のためのパヴァーヌ」を歌っているのと関連づいているようで面白かったです。
やはりラヴェル風の不安定な和音でドリアンの心を表しているのでしょうか。

また、舞台転換の場面でよく演奏されていた音楽もショパンのポロネーズ嬰へ短調op.44(第5番)の曲調に似ていて、素敵でした。

ショパン:ポロネーズ全集

オムニバス(クラシック) / ユニバーサル ミュージック クラシック

スコア:


ここからちょっと不満な点です。
まず、登場人物の衣装がどれも個人的にはいまひとつでした。
ドリアンの青みがかったグレーのスーツももっさりしていて、一昔前の銀行員みたいな感じ。とても貴族には見えませんでした。
首から下がありきたりのダサいスーツなのに、首から上がストレートの銀髪という、なんともチグハグな格好はわざと狙ってのことなのかな?

せっかく日本人にしては珍しくスタイルがいいのだから、もっと体の線がすっきり出るような濃い色のピタッとしたスーツの方がよかったのに、もったいない・・・
地味でもいいので、もう少しセンスの良い瀟洒な衣装にしてほしかったです。

ヘンリー・ウォットン卿の衣装にしてもそう。
どことなくみすぼらしくて、これで本当に公爵(侯爵?)と言えるのか?といった衣装でした。
だいたい、茶色を格好良く着るのって結構難しいのですよね。
着る人を選ぶというか、デザインや着こなし方によって、すっきりして見える場合もあれば、野暮ったくなってしまう場合もあり、無難な色のようでいて、実はお洒落上級者向きの色だと個人的には思います。
それに骨格が貧相な日本人の場合、ただでさえスーツを格好良く着こなすのは難しいのだから、衣装には余計に気を配って欲しかったです。

このヘンリー卿の場合、ちっとも貴族に見えなかったのは、衣装が安っぽかったことや、似合っていなかったことだけの問題ではなく、演じた役者さん(ファンの方には申しわけないのですが)に、貴族としての気品や威厳が全く感じられなかったことも影響しているかと思います。

原作のヘンリー卿がどんなキャラクターなのか知りませんが、ドリアンの美から悪と快楽を導く役割であれば、ノーブルさと冷酷さ、貴族的な退廃した雰囲気を醸し出していなければならないと思うのです。
私の勝手なイメージで言えば、例えば、ルキノ・ヴィスコンティの映画に出てくる貴族達。あるいは森茉莉の耽美小説に登場する美少年をたぶらかす気障な中年ダンディみたいな感じ。

それが、このお芝居のヘンリー卿からはそういう高貴で退廃した色気が私には全然感じられませんでした。
見た目も公爵という貴族の中でも最高位に属する人にしては貧相だし、そういう演出なのかもしれないですが、ちょっと遊び慣れたサラリーマンの先輩が会社の後輩をキャバクラに誘うような安っぽい感じで、彼らがそれほど高貴な身分に見えなかったのは、残念でした。
そのうち、原作を読んで、どんな描かれ方をしているのか確認してみたいです。

耕史くんのドリアンについても私のイメージしていたドリアンとは違ったので、最初は違和感がありましたが、後半になるにつれて、最初よりは馴染んできました。
耕史くんも含めて、他の役者さんの演技も思っていたより庶民的ではありましたが、徐々に悪に染まっていく様子や心の葛藤はとてもよく伝わってきたし、熱演にも好感が持てました。
貴族的な感じや退廃性はあまり感じられませんでしたが、やっぱり耕史くんは日本の時代劇もそうだけどコスチュームプレイが似合う!
個人的には、ミュージカルではなく、こういった普通のお芝居で演技する彼を見る機会があればいいなと思います。



芝居とは関係ないのですが、最近、観劇中の「手癖」の悪い人や、何かと動作の物音が大きいガサツな人と隣り合わす事が多くて、イライラすることがよくあります。
今回も隣の人が、ひじから上をあげた状態(ひじを膝の上のバッグに立てて、手で顎を支えるスタイル)で観劇する人でした。
それ自体は、まあいいんですが、そういう人はたいてい、その手で顔まわりをごちゃごちゃ弄るんですよね。
爪を噛んだり、顔の瘡蓋か何かを引っかいたり、鼻をいじったり、髪を触ったり、手を何度も差し替えたり、などなど。
本人は無意識にやっているんだろうけど、隣でやられると手がこちゃこちゃ動くのが視界の端に入ってきて非常に目障りなのです。

開演前に文庫本を読んでいる時から手をあげるスタイルの人だったので、嫌な予感がしたら、運悪く予想通りの手癖のある人でした(涙)。
自分の場合、観劇の最中は集中したいから、体を無意味に動かすことってまず有り得ないし、そういう変な「手癖」をしてしまう時は集中していない時なのですよね。
後半になると、隣の彼女の手癖はますます頻繁になるも、こんな事を注意するわけにもいかず、こちらは芝居に集中したいのに、横の人の手がチラチラして、イライラが募りました。
たかだか2時間の芝居なんだから、ごそごそ動かずじっとして観ればいいのに・・・
最近は長時間の映画があまり制作されなくなったのも、もしかしたらお客の集中力が持たなくなってきている事と関係しているのかも?

次の観劇では、どうかこの種の「手癖」のある人が周囲に来ませんように!
by icewine5 | 2009-08-23 02:09 | 観劇・音楽鑑賞・博物館