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晩酌を楽しむような気持ちで日々の思いを書き綴りたいと思います。


by icewine5

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染模様恩愛御書 細川の血達磨

もう1週間経ってしまいましたが、先週末、久々に歌舞伎を観にいってきました。
通し狂言染模恩愛御書。前に観ているし、もう一度観るほどのこともないかと思いつつ、宅配生協に割引チケットが出ていたのを申し込んだら、忘れた頃に届いていたので行ってみることにしました。うっかり他の予定を入れてなくて良かった~。

以下、多少ネタばれありの雑感です。

一度観ているとはいえ、もう数年前のことなので笑いどころ以外で覚えているのは粗筋だけ。
お小姓の印南数馬に一目ぼれした大川友右衛門が恋文を渡す場面とか、コメディタッチの濡れ場とか、友右衛門の切腹シーンの勧進帳・・否、「肝腎腸」(←実はこの場面、今回はどんな風になっているのか期待していました)とか・・・(笑)

観ているうちに少しずつ思い出してきましたが、もしかして前回に比べて少し短くなった?
特に前半、数馬の父親が殺されるに至った経緯が端折られているような気がしました。確か前に観た時は「榎本村」というのが出てきて、それに反応した記憶があるんだけど、今回はどうも出てこなかったような気がします。
それでももちろん筋は分かったし、前のも全然覚えていないので、特に問題はなかったです。前回は前半がかなり長かったように記憶しているので、これぐらいでちょうど良いのかもしれません。

それ以外でも後半冒頭のギャグ?が以前とはかわって、浅田真央ちゃんの悔しい銀メダルのネタなど時事的な話題だったり、シャネルやD&Gなんて言葉が飛び出したりしていました。

ちょっと気になったのが、数馬と友右衛門が一緒になって数年後、友右衛門の妹の家で仇の名前が出た時に数馬が反応した理由を友右衛門が理解できずに質問していたのには、違和感がありました。
何年も一緒に住んで、いまだにお手手つないで歩く仲にもかかわらず、恋人のあだ討ち相手の名前を知らなかったのはなぜ??

濡れ場で笑いをとるのはお約束ですかねw
ただ、場所柄か大阪と比べてお客さんの笑いの反応が控えめなように思いました。
大阪のお客さんは本当に可笑しくて笑うという感じでしたが、東京はなんと言えばいいんでしょう。面映いというか照れくさくて笑うというか・・・

もうひとつはっきり覚えていたのは友右衛門が火事場で大事なご朱印状を守るために腹の中に入れる場面。
前回はここで「これが肝臓、これが腎臓、これが腸」「肝・腎・腸」で笑いをとって、びっくりだったんですが、今回はこれがなくなって、真面目路線にかわっていました。
どちらかといえば、こっちの方が好きかも。

最後はシリアス路線でしたが、全体の作風はやはり前回と同じく笑いをとる方向性なのかなと思いました。
チラシの写真やキャッチコピーと実際の舞台は乖離があるような気がしますが、軽いノリで「ボーイズラブ」と敵討ち話を楽しむにはいいのかもしれません。



少し脱線しますが、今回も宣伝やマスコミ報道ではやたらと「ボーイズラブ」が強調されていましたが、この言葉が当たり前のように使われる(?)ようになって以来、この種の話は随分軽いタッチになったものだと思ってしまいます。(あくまでも個人的な感想ですが)。

多感な10代の頃、自分も避けては通れぬ洗礼みたいなもので、この種の話に興味を持った時期がありましたが、私が主に慣れ親しんだのは森茉莉の描くお耽美な世界でした。

少年愛(ボーイズラブではない)の元祖といえば森茉莉(本当はお耽美ではないエッセイの方がずっと面白いのだけど。)。「枯葉の寝床」や「日曜日には僕は行かない」など、独特な文章と美意識に衝撃をうけました。
茉莉の存在がなければ、現在、ここまで「ボーイズラブ」が市民権を得ることはなかったんじゃないでしょうか。(もっともお茉莉さんが生きていたら今時のボーイズラブと彼女の世界観を一緒にするなと言いそうですが 笑)

その茉莉が描く魔性の美少年や美少女、中年男性の危険な色気、高貴で且つ背徳的な恋愛、バタ臭い設定に魅力を感じた自分からすると、最近よく言われる「ボーイズラブ」という言葉からは心ときめく色気もへったくれもなく安っぽく感じてしまうのですよね。それも自分が歳をとったからなのかなぁ。

今回の歌舞伎はその場で観ている時は面白いけれど、笑いとシリアスが私には中途半端に感じられて、1週間たってしまうと、いまひとつ心に残るものがありません。

言っても仕方がない事ですが、もしもこの作品を森茉莉や彼女を絶賛した三島由紀夫(彼は好きそうw 切腹と同性愛ですもん 笑)、あるいはヴィスコンティあたりがプロデュースしたらどんな作品に仕上がったんだろうなと、たわいないことをツラツラ考えながら劇場をあとにしました。
by icewine5 | 2010-03-14 00:23 | 観劇・音楽鑑賞・博物館