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晩酌を楽しむような気持ちで日々の思いを書き綴りたいと思います。


by icewine5

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劇団四季「鹿鳴館」、観劇

昨日は、三島由紀夫作「鹿鳴館」を劇団四季の自由劇場で観てきました。
昨年観た「サド侯爵夫人」にも圧倒されましたが、今回の舞台も大変充実した見ごたえのあるもので、大満足でした。

ストーリーは、明治19年11月3日天長節の日の出来事を描いたもので、主な登場人物は以下の5人。
 ・新橋の元芸妓で影山伯爵夫人朝子
 ・朝子の夫であり、マキャベリストな影山伯爵
 ・彼の政敵であり、朝子のかつての恋人だった反政府派リーダーの清原永之輔
 ・清原と朝子の秘められた息子である久雄
 ・久雄の恋人である大徳寺侯爵令嬢の顕子

その日の夜は影山伯爵が主催する鹿鳴館の舞踏会があり、久雄が影山伯爵の暗殺をたくらんでいるらしいとの話を聞いた朝子はそれを阻止し、愛する清原と息子を救うべく、これまで一度も出たことの無い鹿鳴館の舞踏会に洋装で出席することになるります。そこで、彼らそれぞれの思惑が交差し、悲劇的な結末を迎えるというもの。

昨年見たサド侯爵夫人の時もそうだったように、今回も本で読んで自分でイメージしていたものと、舞台で表現されるものには、微妙な違いがあるのを感じました。
もちろん、それが良い悪いとかではなく、こういう表現方法もあるんだ、という新たな発見だったり、文字で書かれたものが、自分で想像していた料理のされ方とは違ったテイストになったりする面白さであったりします。




出だしでおやっと思ったのは、意外とゆっくりとした朗読調の会話で劇が進んだことで、最初のうちはちょっと気になったのですが、話が進んでくるに従い慣れてきました。
これは後からパンフレットの「舞踏する劇的文体―『鹿鳴館』から『サド侯爵夫人』へ(文/諏訪正)を読んで納得しました。
鹿鳴館が書かれた1950年代は、三島が森鴎外の文体の影響を特に受けた時期で、
「鴎外の清澄な知的文体は、私への救ひとして現れた。そこで私は鴎外の文体模写によつて自分を改造しようと試みた」

そうです。諏訪氏によると
『鹿鳴館』のあちこちに荘重な鴎外風の「清澄な知的文体」がちりばめられているのはそのためである。

と理由付けています。
これは、鴎外好きの私にすればちょっと嬉しい解説です(^.^)
ともすれば棒読みにも聞こえかねない朗読調は、この鴎外風の荘重さを表したい意図もあったのかなとも思えました。
といっても、華麗な修飾語に彩られたセリフはまさに三島そのものって感じでしたが。

観劇後、一緒に見た三島専攻の友人Eちゃんが、三島の作品を見ていると、死とエロスには密接な関係を実感すると言っていたのが、印象的でした。
自分には、もちろん死のエロスなんて無縁だけど(当たり前か 笑)、今回の鹿鳴館で父親にピストルで撃たれて死んだ久雄、同じようなキャラクターである「豊饒の海」第二部「奔馬」の飯沼勲の切腹には、どちらも死をエロティックなものとしてとらえる感性がうかがえました。
三島の作品と生涯をテーマにしたモーリス・ベジャールのバレエ「M」では、それがさらにデフォルメされた形で表現されていたのを昨年観た時に感じました。
こちらは外人さんの作品なので、三島切腹のシーンではBGMに「トリスタンとイゾルデ」の愛の死が流れ、桜吹雪がドバーッと舞い散るという、とってもベタな死とエロスの演出でした(^_^;)
西洋人から見た切腹ってああいうイメージなんですね・・・

ふう~、まだまだ充分消化し切れていない感じもするので、もう一度、本を読み直してみようと思います。
これからも三島作品の舞台どんどん、やって欲しいです。やっぱり本格的なストレートプレイっていい!
by icewine5 | 2006-04-11 00:21 | 観劇・音楽鑑賞・博物館