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晩酌を楽しむような気持ちで日々の思いを書き綴りたいと思います。


by icewine5

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文学座「殿様と私」

文学座「殿様と私」_f0059671_2220281.jpg先日、文学座のお芝居「殿様と私」を新宿の紀伊國屋サザンシアターで観てきました。

出演している俳優さんは全然知らない人ばかりなんですが、時代が鹿鳴館時代、西洋化に馴染めない子爵家の殿様がお抱え外国人の奥さんを先生にして、ダンス修行する話らしいということで、気になりました。

コメディタッチで笑わされたかと思えば、シリアスな展開もあり、最後はホロリとさせられる楽しいお芝居でした。

登場人物は以下の8名。あらすじはこちら
白河義晃(子爵 白河家当主) …… たかお鷹
白河義知(義晃の息子 陸軍中尉) …… 城全能成
白河雪絵(義晃の娘) …… 松山愛佳
雛田源右衛門(白河家の家令) …… 加藤武
雛田カネ(源右衛門の妻) …… 寺田路恵
熊田三太郎(アンナ専属の車夫・通訳) …… 浅野雅博
ジョン・ラング(英国海軍大尉) …… 星智也
アンナ・カートライト(米国人 鉄道技師の妻) …… 富沢亜古
                <文学座 殿様と私 公式HPより>

以下、若干ネタバレありの感想です。



舞台は全二幕、最初から最後まで白河子爵邸の居間で話が展開します。

文学座「殿様と私」_f0059671_2222445.jpg登場人物は皆、個性の強い人たちばかりですが、個人的には白川子爵と家令の雛田源右衛門の主従コンビの時代錯誤っぷりが最高に面白かったです。
※家令・雛田を演じた加藤武さんは、大河ドラマ「風林火山」にも出演されてたんですね。
多分、大勢いる武将の一人なのでしょうけど、あまりきちんと見ていなかったので、どの役の人なのか分からず・・・

お話は当主の白河子爵とこの雛田主従の滑稽なコンビの時代錯誤な行動、雛田の切腹騒動、白河子爵とダンス指導をするカートライト夫人の掛け合い漫才のようなかみ合わないやりとり、娘・雪絵と英国海軍大尉ラングの恋愛などなど・・・当時、大きな社会問題であったノルマントン号事件や条約改正問題などと絡まって、次から次に騒動が起こります。

最も普通の人なのが、白河子爵の息子・義知。
何かと暴走してしまう父親や妹、家令が起こす悶着を冷静に収めてくれる存在でした。

事の発端は、あらすじでも紹介されている通り、雛田のちょんまげを井上馨の書生にからかわれたことから。
怒った白河子爵は、最初の登場シーンでいきなり上半身だけ戦国時代のような鎧甲姿で登場。
「戦じゃーッ!」と今にも屋敷を飛び出して、井上馨邸に討ち入りしそうな勢いなんですが、かなり酔っ払って足元も覚束ない様子。一緒に怒り酒を飲んでいた雛田も槍を持って登場。
白河子爵と雛田主従の時代がかったお武家さん風のやり取りで、最初から笑わせてくれました。
世の中が明治に変わり、西洋化が進もうともこの二人は未だに江戸時代、気持ちは武士なんですね。

その後もノルマントン号事件に憤慨して、忠臣蔵の討ち入り装束で英国領事館に乗り込んでいって、息子に迷惑をかけたりと、時代遅れな殿様ぶりが滑稽で微笑ましい(笑)。

カートライト夫人とのやり取りを通して、最初は毛嫌いしていたダンスがだんだん好きになっていく場面も見ものでした。
最初のレッスンでは、ダンスを習うというのに動きやすいからと昔の殿様の鷹狩りのような格好で現れ、夫人を呆れかえらせます。ここでも観客は大爆笑。
しかも、ダンスは大嫌いだと仏頂面で酔っ払ってレッスンを受けるもんだから、夫人にも匙を投げられるんです。
ただ、白河子爵のエライところは、息子たちに説得されて、とりあえずダンスは嫌いだけど、夫人の言うことを聞いて酒もやめて、顔を引きつらせつつも笑ってレッスンに臨もうとしたところ。
もうこの引きつり笑いが堪らなくおかしかったです。

で、最初は嫌いだったダンスがいつの間にか好きになってきたものの、あからさまにそれを認めるのは家人の手前、照れくさいらしく、人のいないところでこっそりステップの練習をしたりするところがまた笑いを誘いました。

結局、鹿鳴館には舞踏会の前日にひと悶着があったせいで、子爵の代わりに娘の雪絵がいくことになるのですが、雪絵がここで出会ったイギリス海軍大尉に恋をしてしまったり、その雪絵のことがひそかに好きなカートライト夫人の車夫・熊田三太郎がやきもきしたりと、後半は意外な展開に。

最後は、殿様とカートライト夫人が楽しいダンスを披露してくれて、とても気持ちの良い終わり方でした。

最初のうちは、時代錯誤で頭の固い頑固者のように見えた白河子爵ですが、最後まで見ると、実は西洋の、しかも女性の言葉にも耳を貸し、ダンスもこなせる意外に柔軟な思考の持ち主で、変化に対する順応力や理解力もある人なのが分かってきました。
武士の心も決して失わない家臣思いの良い殿様であり、娘の渡米も許す度量(しかも、身分違いの車夫と一緒になることすら許すんだからすごい!)のある良き父親でもあり、まさに和魂洋才な人です。

鹿鳴館で外見だけ西洋化してダンスを踊って、進歩的な人間だと自分で思い込んでいる人たち(そんな人もいたはず?)よりも、「西洋のダンスは嫌いだ!」と正直に明言するあたり、偽善者ではない筋の通った人物であることが分かって好感が持てました。

この白河子爵は架空の人物ですが、榎本武揚と出会っていたら意気投合してそうだなぁ~。
by icewine5 | 2007-11-06 22:25 | 観劇・音楽鑑賞・博物館