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晩酌を楽しむような気持ちで日々の思いを書き綴りたいと思います。


by icewine5

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小樽旅行その10(記念講演会「榎本武揚の実像と現代 2)

引き続き、記念講演会「榎本武揚の実像と現代」です。

小樽旅行その10(記念講演会「榎本武揚の実像と現代 2)_f0059671_1302461.jpg【第二部講演 「榎本武揚の実像」 東京農業大学客員教授 榎本隆充氏】
続いて御子孫である榎本隆充氏の講演です。
隆充さんの講演はこれまでに2度聴いたことがありますが、いつも穏やかな落ち着いた口調で話されるのが印象に残っています。
今回は、榎本さんが獄中時代、どのような考えを持っていたかについてお話してくださいました。

最初は榎本ファンにはお馴染みの牢名主になったエピソード。
牢屋に入ったところから、古株の牢名主とのやりとり、当時の東京はいまだ徳川の公方様の影響が大きかったので、榎本さんがヒーローだったことなど、何度きいても楽しいお話です。
榎本さん好きには有名な話でも、講演のお客さんの中にはお付き合いでいらっしゃった方で全然榎本さんに興味の無い人もいるでしょうから、こうやって最初に面白いエピソードをご紹介されて良かったと思います。

レジュメにある榎本一族の家系図で一緒にオランダ留学をした林研海さんのことにも少し触れられていたように記憶しています。
このレジュメの家系図はかなり幅広く遠縁の人まで出ているもので、順天堂病院にかざってあった家系図と原型は多分一緒なのかな?
ただ、順天堂にあったものの方がさらに遠縁まで詳しく出ていたました。佐藤家つながりで土方家まで出ていたぐらいですからね。

もう一つ楽しいエピソード♪
獄中から母と観月に宛てた手紙のなかで、榎本さんのブロマイドを外国人が争って買い求めているというものw
これも榎本ファンにはお馴染みですね。

真面目なお話としては、この時期、榎本さんは自分が処刑されたら、ヨーロッパで学んだ科学技術などの知識や論文が世に出る機会を失ってしまうことを危惧していたとのこと。
これらの情報を残しておきたいとの思いから獄中で苦労しながら、色々と書き残したエピソードもありました。

それと関連して、最後に榎本さんの残した漢文を紹介してくださいました。
「自分が学んだことを発表する暇もなく、君恩に報いていない。まだ国のため、人のために尽くしていない自分は、日本の将来のためにつくしたい」という気持ちを当時、榎本さんは持っていたということで締めくくられました。
やっぱり御子孫の方のお話は、特別、専門的な内容でなくても、ご先祖からの思いが伝わってくるような気がして、説得力があります。




【第三部基調講演「榎本武揚の青春と日本の近代」】
最後は「武揚伝」の著者・佐々木譲氏です。
一体、どんな方なのか講演の前からとても楽しみにしていましたが、小説の文体から推察される通りの人でした。
明快でテンポよく、歯切れの良い話しぶり、内容も筋道たてて理路整然としていながら、決して冷たい感じではなく、榎本さんへの愛着が感じられるお話でした。
いや~、本当に文章って人を表すものですね。

講演内容は大きくわけると2つのテーマがあって、講演タイトル通り、榎本さんの若い頃の話ともうひとつは地球温暖化と榎本さんに関する話でした。

地球温暖化が榎本さんと一体何の関係があるの?と、なんだか不思議な興味をひかれるテーマですが、榎本さんには、いかに将来を見据える先見の明があったかを示すお話でした。
で、どういう関係があるかというと、佐々木氏のように理路整然とはいきませんが、地球温暖化の影響で昨年、これまで氷で閉ざされていた北極海に航路ができたんだそうです。
これにより太平洋と大西洋が北極を挟んでつながれば、世界の海運状況は一変するわけで、目ざといロシアの投資家達がJR北海道の株を買っているんだそうです。なにしろ北極海に航路ができれば北海道とヨーロッパの距離はぐんと近くなりますからね!

で、榎本さんは1878年、サンクトペテルブルクからウラジオストック経由で横浜に帰るときにすでにこの北極海航路の有効性を考えていたらしいです。
当時、ノルデンショルド?という人が蒸気船ベガ号でスウェーデンのイェーテボリから北極海をわたって、横浜までの航海に成功したそうです。
(佐々木氏の講演で初めて聞いた話なので、全くのうろ覚え、細かいところは間違ってるかも・・)
そのノルデンショルドの北極横断と榎本さんの辿ったシベリア横断とどっちが早いか比較しようとしていたんじゃないかというのが佐々木氏の推測のようです。

というわけで、地球温暖化の話というよりも北極海航路に目をつけた現代のロシア投資家と同じように、榎本さんも当時、この航路に目をつける先見性を持っていたということ。

もう一つの若い頃の話は武揚伝のおさらいでした。
主に長崎海軍伝習所時代とオランダ留学時代のお話がメインなので武揚伝で1巻2巻あたりでしょうか。

海軍伝習所時代の榎本さんがいかに優秀だったか、それに比べて勝海舟がいかに駄目駄目だったか。(相変わらず、佐々木氏は勝海舟がお嫌いのようです^^;)
とにかく、佐々木氏は小説と同じく、講演でも榎本さんを大絶賛してましたw
「個人史と日本の近代史がシンクロした稀有な例であり、激動期に出てくる特別な人物」(by佐々木氏)というわけで、久しぶりに武揚伝を読んでみたくなる講演でした。
by icewine5 | 2008-07-05 01:40 | 歴史・新選組関連