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晩酌を楽しむような気持ちで日々の思いを書き綴りたいと思います。


by icewine5

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七月大歌舞伎

数ヶ月ぶりに歌舞伎座で夜の部を観劇してきました。

泉鏡花原作の「高野聖」が54年ぶりに歌舞伎座で上演されると話題になっていたので、とても楽しみにしていました。
もう一つの作品も同じく泉鏡花の「夜叉ヶ池」。
私の場合、観劇経験が非常に浅いのでこんな事を言うのは僭越かもしれませんが、どちらも今まで観た歌舞伎の演目と違って、現代劇に近い印象を受けました。
こういうのも歌舞伎なんだ!というのが新しい発見です。




まずはとても面白かった「高野聖」から。
原作だけはしっかり読みましたが、それ以外の予備知識は玉三郎さんが孤家に住む女、海老蔵さんがお坊さん宋朝を演じるということだけ。
泉鏡花の独特の文章と描写される世界が歌舞伎では一体どうなるのか、とても興味がありました。

原作では歳を取った宋朝が若い頃の不思議な経験談を旅の途上で出会った「私」に語る形式で進みますが、舞台では若い宋朝の視点で話が展開していきました。

第一場の飛騨越えは薄気味悪い廃道を進む原作のイメージが分かりやすく表現されていました。
なんとかたどりついた孤家もその家に住む女もいかにも怪しげな雰囲気がただよっていました。

人によって様々でしょうが、私の場合、原作のあるお芝居に関してはきちんと文字情報で頭にいれて、自分なりのビジュアルイメージを持ってから観劇する方が、そうでない場合に比べて断然、面白く感じます。

さて、疲れきった宋朝が汗をぬぐうために崖の下の渕へと女に案内されて進む場面で、とてもラッキーな経験をしました。

今回、私が座ったのは1階の2等席で花道のすぐ脇の席でした。舞台も観やすいし、花道から登場する役者さんの様子も良くわかり、なかなか良い席だと入った時から思っていたのです。
この渕へ向かうシーンで、舞台上手から客席内の東側の通路を二人が進んできたとき、これはもしや1等席と2等席の間を通って花道に戻るのかな?と思ったらまさにその通り!
客席数列をはさんで、ほんの1.5~2メートルぐらい前を玉三郎さんと海老蔵さんがしずしずと歩いて横切っていきました!

普段、歌舞伎関連のネット情報は限られたブロガーさんのブログ以外めったに読まないし、今回も原作を読んだだけで、芝居の内容やレビューは全く見ないで観劇したので、こんな所を通るとは全く知りませんでした!

こんな近くで芸能人を見たのって、碧血碑で耕史君を見物して以来だわ・・・
いつもほとんど2等席で、花道の奥の方や舞台の隅の方の演技が見えなくてもどかしい思いをすることが多いのですが、この時ばかりは花道近くの2等席だったことに大感謝です。
周辺のお客さんからも声にならない「うぉー!」という心の叫び(笑)が聞こえてくるような感じでした。

さて、山中の渕へとやってきた二人。
ここからが原作を読んで一番楽しみにしていた場面です。
なにしろ、真言密教のお坊さんと女が二人とも着物を脱いで水浴するという禁断の匂いのするとても怪しげで色気のある描写ですから、これが歌舞伎になったらどんな感じなんだろうとワクワクしていたんです。

ところが・・・
以下、歌舞伎超初心者の私の見方が浅いせいもあるので、観劇経験の少ない者のたわごとと思って聞き流して頂けると幸いです。

予想に反して笑えたよ^^;ここって笑いを取るシーンだったのか!?

まさか夜の部全体を通してここで一番笑うことになるとは思いもしませんでした。
私だけが笑いのツボが違ったわけでなく、客席全体からドッと笑い声が起きたので、多分、他のお客さんも面白かったんだと思います。
これはこれで、別の意味で予想を裏切られて、とても楽しかったです。

で、何がそんなに可笑しかったかというと、別に可笑しいシーンのはずではないのに、なぜか女の口ぶりと仕草、宋朝のビビリ具合が何ともコケティッシュで思わず笑っちゃったんですよね。

まず最初の笑いのツボだったのは女が宋朝の着物を脱がすところ。
「お召しはこうやって置きましょう」という原作通りの台詞と描写なのに、これをビジュアル化すると女の積極ぶりがなんだかコントっぽくなるのは、何か演出の狙いなのでしょうか・・・

笑いのツボその2
宋朝の入っている風呂、じゃなくて渕に女が後から入ってくるシーン。
岩陰に隠れて着物を脱いでいた女が渕に入ってきたところで、またドッと笑いが起きました。
いや~、今思い出しても笑いがこみあげてくるぐらい、なんとも楽しい場面でした。
なんでこんなに可笑しいのか考えてみたんですが、二人とも首から上しか出ていないから、観劇経験が浅くて想像力の乏しい私には、まるでリハビリプールに入ってウォーキングしているみたいな感じに見えちゃうんですよ。

実際、原作ではこんな楽しい感じではなくて、色気といやらしさに加えて怪しげで得体の知れない恐ろしさも感じられる独特の雰囲気のある文章なので、本当にびっくりの演出でした。

こんな事を言うのはえらそうかもしれませんが、首まで水につかるのではなくて、普通の露天風呂みたいに水深50センチぐらいにして、二人の上半身を密着して見せた方がもっと色気のある雰囲気になるんじゃないかな~なんて、舞台を観ながら思ったりもしました。

もう一つの演目「夜叉ヶ池」も時代設定が近代に入ってからなので、原作を読んでいなくても非常に分かりやすかったです。
歌舞伎ではない普通のお芝居を見ているようにすんなり理解することができました。

まさか歌舞伎を観にいって、スーツを着た人が登場するとは思わなかった!台詞のなかに「キス」なんて単語も出てきたりするしw

ただ、現代風の村里の人だけでなく、中盤から眷属神の鯉やら蟹とか夜叉ヶ池の主の白雪姫とか人間以外のものも色々出てきて見ごたえがありました。
正直なところ、前半の百合と萩原晃のやりとりは、ずっと同じ場面続きで退屈しかけていたのですが、途中から海の生物の眷属神やらわがままな白雪姫が登場して、はちゃめちゃぶりを発揮しだすと、舞台も活気付いて、なかなか面白かったです。

蟹の眷属神の頭が、大阪の「かに道楽」みたいになってるので、出てくるたびに思わず笑いそうになってしまいました。

七月大歌舞伎_f0059671_1362060.jpg七月大歌舞伎_f0059671_1363453.jpg

今回は、初めて歌舞伎座の食堂を予約して、幕間の食事をゆっくりとることができました。
いつも開演前に三越でお弁当を購入して座席で食べるのですが、なにしろ狭い座席に長時間座るものだから、お尻や腰が痛くなってくるんですよね。

で、今回は休憩時間が45分といつもより長いし、2100円の幕の内を事前にインターネット予約しておきました。
汁物やおまんじゅうもついていて、美味しい夕食でした。
量的にも20分もあれば充分食べ終えられるぐらいだし、座席で食べるよりずっと楽チンです♪
一人の時はともかく、連れがいるときは食堂の方がリフレッシュできていいなと思いました。

来月は愛陀姫!
ヴェルディのアイーダは私の一番大好きなオペラなので、これが一体どんな風になるのか、歌舞伎の演目でこれほど観る前から楽しみに思ったことはこれまでありません。今からとってもワクワクしています。
by icewine5 | 2008-07-30 01:55 | 観劇・音楽鑑賞・博物館