晩酌を楽しむような気持ちで日々の思いを書き綴りたいと思います。


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カテゴリ:映画( 30 )

映画DORIAN GRAY

先日のエントリーで感想を書いた映画「ラブ・アクチュアリー」のDVD視聴とほぼ同じ時期に観劇した舞台「ドリアン・グレイの肖像」の両方に関連するお楽しみ情報を数日前に発見して、ちょっとワクワクしています。

今月9日からイギリスで映画DORIAN GRAYが公開されるようです。
公式サイトはこちら

監督はオリヴァー・パーカー、ドリアン・グレイはベン・バーンズ、そしてなんとコリン・ファースがヘンリー・ウォットン卿ですよ♪
ちょうど「ラブ・アクチュアリー」で久しぶりにコリン・ファースを見て改めて渋い俳優だなあと気になってあれこれネットを徘徊していたら、この映画の情報にたどり着きました。

トップページに予告編が紹介されていますが、もうこれを視聴しただけで心がざわめいてしまいました。
これよっ!これですよっ!私が求めていた「ドリアン・グレイ」はっ!
たった1分27秒の映像だけで、先日の舞台の印象など吹っ飛んでしまうほど、強烈に私の心に響いてきました。

舞台では安っぽくてがっかりした衣装も、映画の方はさすが本場!この衣装のセンスと生地の上質な質感、彼らの着こなしは比べ物になりません。
コリン・ファース演じるヘンリー・ウォットン卿がこれまたイメージ通りの冷たい貴族的な気品と色気が出ていて本当にぴったり。
たった数秒のシーンにも関わらず、この退廃貴族オーラにうっとりです。やっぱりコリン・ファースは良い俳優だわ・・・
ベン・バーンズと二人並んだところなんて、怪しすぎて思わず心臓が高鳴ってしまいましたw
もう何度もリピートしまくりです(笑)

そう、先日の舞台ではウォットン卿がショボ過ぎたというのもあって、このトキメキが何一つ感じられなかったんですよね。面白いし良いお芝居だとは思ったけど、今振り返ってみると非常に冷静に淡々と傍観していたように思います。
いや~、耕史くんの舞台を観たのがこの映画の存在を知る前である意味良かったかも。
この映画の予告編を観た後に舞台を観ていたら、完全に舞台の方が見劣りしてしまって、落胆のあまり酷い感想を書いてしまうところでした^^;

この映画、日本で公開されるんでしょうか?なんとしても観たいです!
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by icewine5 | 2009-09-03 00:07 | 映画

ラブ・アクチュアリー

先週末から今週末にかけて、自分にしては珍しく恋愛映画を観ました。お友達から借りた映画「ラブ・アクチュアリー」です。

2003年のイギリス映画で、「ブリジット・ジョーンズの日記」の脚本を担当したリチャード・カーティスが監督した作品です。
舞台はクリスマスを目前に控えた12月のロンドン。19人の登場人物の様々な愛の物語がオムニバス形式で展開するラブロマンスです。

ラブ・アクチュアリー [DVD]

ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン


お洒落で洗練されたストーリー、映像、音楽、下ネタも時々出てくるのに決して下品にはならず、結末もほんのり切なさがある一方、それを上回る幸福感を感じることができるイギリス映画らしい作品と言えるかと思います。
微笑ましい愛の告白や晴れて恋が成就するカップルがある一方、三角関係や成就しなかった切ない恋愛もあり、親子、兄弟、夫婦といった家族の愛、友人の愛、恋人たちの愛など、色々な形の愛情が描き出されていました。
この作品には「世界じゅう、どんな所にも様々な愛が存在するのだから、どんな時でも愛と勇気を持って、思い切って行動しよう!」というメッセージがこめられていると思うので、ちょっと気分が沈んだ時や嫌な事があった時に見ると、前向きな気持ちになれるかもしれません。

ヒュー・グラント演じるスマートな英国首相の恋愛など、正直、「これ、現実には有り得ないだろうw」という突っ込みどころも満載でしたが(笑)、現代のおとぎ話だと思うと、現実を脇に置いて楽しむことができました。

なにしろ出演している俳優、女優がみんなとても魅力的。やっぱりイギリス系の俳優はいいわ~♪
彼らの人間関係を把握するために主だった登場人物を整理してみました。

 ・英国首相デヴィッド(ヒュー・グラント)&首相官邸職員のナタリー(マルティン・マカッチョン)
 ・妻を亡くしたダニエル(リーアム・ニーソン)&義理の息子サム(トーマス・サングスター)&サム
  の片思いの相手ジョアンナ(オリヴィア・オルソン)
 ・作家ジェイミー(コリン・ファース)&ポルトガル人お手伝いさんオーレリア(ルシア・モニス)
 ・会社経営者ハリー(アラン・リックマン)&ハリーの妻でデヴィットの妹のカレン
  (エマ・トンプソン)&ハリーを誘惑するミア(ハイケ・カマッシュ)
 ・ハリーの会社に勤めるサラ(ローラ・リニー)&同僚カール(ロドリゴ・サントロ)
 ・画家マーク(アンドリュー・リンカーン)&親友ピーター(キウェテル・イジョフォー)&ピーターの
  妻ジュリエット(キーラ・ナイトレイ)
 ・ロック歌手ビリー(ビル・ナイ)&マネージャーのジョー(グレゴール・フィッシャー)
 ・俳優の代役ジュディ(ジョアンナ・ペイジ)&俳優の代役ジョン(マーティン・フリーマン)

主だった人物だけでもこれだけいるので、この映画を予備知識無しで観る場合、本当の意味でこの作品を堪能するためには、私のように顔を覚えるのが苦手な人だと最低3回は見る必要があるかと思います。
正直、1回目はストーリーを楽しむ以前に人間関係を把握するので精一杯でした。「この人と彼女は恋人で、さっきのあの人はどういう関係だっけ?会社の上司だったかな?この二人は親子?」など考えているうちに話がどんどん進んでしまい、ようやく終わり頃になって、なんとか登場人物がわかってきたという状態。
2度目を観る前に、ネットで改めて粗筋と登場人物をおさらいして、再度、視聴して全体構造を把握。
3度目の視聴で、ようやく作品として味わうことができました。

以下、印象に残っている登場人物やカップルについて少し触れておきます。

やっぱりヒュー・グラント演じる英国首相は外せないでしょうw
一国の首相にしては軽すぎるし、スマートすぎるけど、ヒュー・グラントなら許せます(笑)。
大国の首相が恋愛問題でこんなにフラフラしていていいのかとも思うし、実際にはあり得ないけど、こんな首相がいてもいいかもと思わせてしまうところはさすがヒュー・グラントw
首相官邸で音楽に合わせて腰をふりながら踊っているところなんて、なかなかキュートでした♪

この作品が作られた頃の実際の首相はトニー・ブレア。
記者会見の席でアメリカ大統領に反旗を翻すシーンは、ブッシュ政権寄りだった当時の首相を皮肉っているようでもあり、面白かったです。

あとは、キーラ・ナイトレイが美しかった~。
彼女を初めて知ったのは、飛行機の中でたまたま見た「つぐない」でしたが、その時、なんてクールな美人なんだろうと感心しました。

つぐない [DVD]

ジェネオン エンタテインメント


あの時の役柄からは冷たいノーブルな雰囲気が漂っていたのに対し、今回は明るくフレンドリーな感じで全然イメージが違いましたが、この役の彼女も素敵でした。
夫の親友が撮ったビデオから、彼が実は自分のことを想っていたのを知った時の表情と2人の切ないシーンはほろりとさせられました。

もう一組挙げるなら、ハリーの会社に勤めるサラとその弟マイケルとの姉弟愛も個人的には印象に残っています。
精神的な病のために入院しているサラの弟は、何かと姉を頼りにしているのですが、それがサラの恋愛の足枷になっている。片思いだったカールと晴れて結ばれそうになった時にも弟からの電話で遮られてしまう。
本当なら恨み言のひとつでも言いたいだろうに、電話に出た彼女は「今暇だから大丈夫よ。」と言って、弟の被害妄想的な心配事を根気よく聞いてあげるんですよね。
彼とうまくいかなかった翌日、病院で暴れる弟を優しく諭す時の彼女ははっきり言って、恋人と一緒の時よりもずっと美しく見えました。
恐らく最悪の精神状態の中でも、自分の恋愛を犠牲にして家族を優先する彼女はとても素敵な人だと思いました。

他にも可愛い子どもカップルやおちゃらけ者とアメリカ娘の愉快な恋愛なども楽しかったし、コリン・ファースも渋くて格好良かったですが、う~ん、やっぱり私はハッピーエンドよりも成就しない悲恋エピソードの方が好きかも(笑)。

6月に旅したロンドンの見覚えある景色も出てきたし、楽しく鑑賞できる作品でした。
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by icewine5 | 2009-08-25 00:58 | 映画

何かいいことないか子猫チャン

しばらく京都旅行ネタでしたが、相変わらず「アラビアのロレンス」熱も続いてます。

興味があるのはロレンス本人だけど、やっぱり演じた役者さんの作品も見てみたくなるもので、以前、学生時代にはまったときはピーター・オトゥール出演映画を片っ端から見漁りました。

当時、図書館にもレンタルビデオ屋にもなくて未視聴だった「何かいいことないか子猫チャン」を手に入れ、ここ1~2ヶ月ハマってます。

何かいいことないか子猫チャン [DVD]

紀伊國屋書店

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 監督:クライヴ・ドナー
 製作:チャールズ・K・フェルドマン
 脚本:ウディ・アレン
 撮影:ジャン・バダル
 音楽:バート・バカラック

キャスト(役名)
 ピーター・オトゥール (Michael James)
 ピーター・セラーズ (Fritz Fassbender)
 ロミー・シュナイダー (Carol Werner)
 キャプシーヌ (Renee Lefebvre)
 ポーラ・プレンティス (Liz)

1965年の古いラブコメディ映画だけど、今見ても新鮮だし、60年代ファッションがとてもおしゃれ、笑いのセンスもいいし、めちゃくちゃ楽しめます!

あらすじはざっとこんな感じ。
一流ファッション誌の編集長マイケル(ピーター・オトゥール)は、女性にモテまくる浮気性の男。そんな彼だが本当に愛しているのは、婚約者のキャロル(ロミー・シュナイダー)。
浮気の虫を鎮めて、彼女と結婚するにはどうすれば良いかと自称パリ1番の精神分析医ファスペンダー博士(ピーター・セラーズ)に相談するところから物語は始まり、周囲の人をまきこんでのドタバタお色気コメディーが展開。
最後は関係者一同が怪しげなホテルに集まっての大騒動。
晴れてマイケルとキャロルは結婚にたどり着いてめでたし、めでたし・・・のはずが早速夫婦喧嘩を繰り広げるところでお終い。

オトゥールって、ロレンスみたいなシリアスな役もいいけど、オードリー・ヘップバーンと共演した「おしゃれ泥棒」のようなコメディも上手いし、この映画でも「美女にモテまくって浮気の虫のおさまらないダメンズ」役でいい味出してました。
ルックス的にもこの頃の彼が一番、ハンサムだと個人的には思います。
70年代の作品なんかを見ると急激に老け出して、最近、アカデミー賞にノミネートされた「ヴィーナス」では、すっかり枯れたおじいちゃんですからね。

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映画の中で、彼に惚れる美女達が皆「彼は光線の具合でいい男に見える」と言っていたのが、まさにぴったりでうまい表現だなあと感心しました。
オトゥールって確かに美男であることは間違いないし、「アラビアのロレンス」で、砂漠を背景に白いアラブ服をまとった彼は、好きな人から見ればクラクラするほどの美貌なんだけど、万人受けする美男ではないんですよね(笑)。

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個人的にはこの映画でもオトゥールが生白い背中を晒してくれたのが、目の保養になりましたw
こっちは脱がされるんじゃなくて、自分からノリノリで踊りながら脱いでましたが(笑)。

最初はオトゥール目当てで見たのですが、その他の出演者がこれまた素晴らしい。
変テコなおかっぱ頭のピーター・セラーズ演じる怪しげな女好き精神分析医も笑っちゃいます。
精神分析医といえば、フロイトを思い起こしますが、映画の最後になって彼がフルネームを言う場面で、彼のミドルネームが「シグムント」だったのに気が付いて、その会話のやりとりに思わず吹き出しました。
こういうコネタが効いた台詞や会話が至るところにあって、それもこの映画の面白い点です。

その脚本を担当しているがウディ・アレン。
役者としても出演しており、ロミー・シュナイダーに片思いして振り回される駄目男ぶりと滑稽な演技が笑えます。

映画を見ていて、ふと、脚本家の三谷幸喜さんって、ウディ・アレンの影響を受けているんじゃないかと思いました。
新選組!と有頂天ホテルぐらいしかまともに見たことは無いのですが、群像劇のドタバタコメディで、バラバラに見えた個々の登場人物の人間関係が徐々に絡み合っていくあたりの展開がよく似ているような気がしました。

そして、登場人物の中で印象に残ったのは、なんと言ってもオトゥールの恋人キャロルを演じる若き日のロミー・シュナイダー!

もう最高にチャーミングで可愛らしい!
まさに「子猫チャン」がぴったりくるキュートな女性でした。

日本女性に時々みかける甲高い甘ったれた舌足らずな喋り方や不自然な「ぶりっ子」、作られた自称「ナチュラル」「天然」と違って、同性の自分が見ても嫌味の無い本当の意味で天然の可愛らしさと生まれながらの気品と魅力。

私にとって、ロミー・シュナイダーといえば、ヴィスコンティ監督「ルートヴィヒ」で演じた「トリスタンとイゾルデ」の旋律が似合う高貴で気高いエリザベートのイメージなんですが、それを良い意味で覆してくれるヤンチャな「子猫チャン」ぶりにびっくりでした。
「ルートヴィヒ」が1972年だから7年しか違わないのに、映画によってこうも違うものなのかと。

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それと「ルートヴィヒ」の時の彼女に対して、私は勝手に大柄で落ち着いた大人の女性のイメージを持っていたのが、「子猫チャン」ではものすごく小柄で若々しく、幼いぐらいに見えたのも意外でした。
これは、188センチの長身でどちらかといえば年齢よりも老けて見えるピーター・オトゥールと一緒の場面が多いせいで、余計に若々しくみえたというのもあるかもしれないです。

この当時26~7歳のはずですが、それよりももっと若く20代前半ぐらいの印象。
私生活ではアラン・ドロンと離婚するかしないかの頃?だと思いますが、映画ではそんな不幸を感じさせない元気溌剌ぶりでした。

とにかく言動の全てがチャーミングで見蕩れてしまいます。本当に素敵な女優さんだな~。
「ルートヴィヒ」の威厳と母性を感じさせるエリザベートも素敵だけど、こういう可愛らしい役の彼女もいいです!

ディスコで踊りながらオトゥールに「あっかんべー」するシーンとか、2人で痴話喧嘩を繰り広げるシーンとか、ラブラブなシーンとか・・・数え出したらキリがない。

オトゥールがシュナイダーにプロポーズした後、彼女を軽々とお姫様抱っこしてクルクル回転するシーンのなんと絵になる事!
こういうのはやっぱり美男美女だけに許されるシーンだと思ってしまいました。

他にもゴーカートで出演者一同が大脱走するシーンなど、眼福ものです。
ピーター・オトゥールやロミー・シュナイダーをはじめ他の女優、俳優のはじけっぷりを見ていると、この人たち演技じゃなくて素で楽しんでるよな~と感じました。

こんな感じでどの役者さんも良い味を出していて、脚本も演出も全てが楽しく、ラブコメディの名作の1つと言える作品でした。

今週末はお借りした「ラブ・アクチュアリー」を見るのが楽しみです!
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by icewine5 | 2009-08-15 01:57 | 映画

モーリス・ジャールの軌跡

シネマアンジェリカで、「モーリス・ジャールの軌跡」 を見てきました。
今年3月に亡くなったモーリス・ジャール氏の業績を本人や関係者らの証言で振り返るドキュメンタリーです。
昨年秋の大阪ヨーロッパ映画祭はデビッド・リーン監督の生誕100年や映画音楽誕生100年ということで、このドキュメンタリーは日本初上映だったそうでとても興味があったのですが、残念ながら行けませんでした。
ジャール氏が映画祭の名誉委員長として来日したときの様子を後日、ネット上の動画で見ましたが、80過ぎにも関わらず元気そうに話していらっしゃる様子だったのに、その時、既に癌で闘病中だったのですね。
今回、追悼上映が大阪に次いで、東京でも開催されると知って、早速行ってきました。

モーリス・ジャールといえば、私にとってはもちろん「アラビアのロレンス」と「ドクトル・ジバゴ」です。

アラビアのロレンス 完全版 [DVD]

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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ほんの少しのシーンとはいえ、再び、映画館の画面であの雄大な砂漠の映像と音楽に浸れたのは幸せでした。
ロレンスとジバゴ関連のエピソード目当てで見ましたが、それ以外にも彼の長いキャリアの中で作られた数々の名曲についての本人や関係者のインタビューも非常に面白く、あっという間の80分でした。

冒頭、インタビューで彼は「ピアニストは音楽を指先でつくりがちだが、本来、音楽は頭とハートでつくるもの。そういう意味で自分はうまいピアニストでなくて良かった。」と話していたのが、まず印象に残っています。
演奏家と作曲家の違いは確かにそこにあると思います。
特に、ジャール氏のように映画音楽を作る場合、脳内で映像のイメージをふくらませ、監督の意図するところを汲み取る想像力や、それを音楽として映像と一体化して、観客の心に訴える表現力は普通の作曲家以上に必要だと思います。

そんな彼が音楽の道に進もうと思ったのは、リストのハンガリー狂詩曲2番を聞いたのがきっかけだそうです。

リスト:ハンガリー狂詩曲第2番

ストコフスキー(レオポルド) / BMG JAPAN

リストは私も大好きな作曲家の一人。そういわれてみると、確かにリストの華麗な音楽がモーリス・ジャールの後の映画音楽に通じているような気がしてきました。

さて、今回のドキュメンタリーのお目当てだった「アラビアのロレンス」の音楽制作関連のエピソードから。
モーリス・ジャールがロレンスの音楽を全て担当することになった経緯は面白かったです。
当初、プロデューサーのサム・スピーゲルは音楽の9割を別の作曲家に依頼しており、残りの1割をモーリス・ジャール氏が担当することになっていたそうです。
ところが、別の作曲家が作ったものというのが、イギリスの行進曲みたいなもので、デビッド・リーン監督はこれじゃ全然駄目だと言い、ジャール氏が1節、弾いた例のテーマ曲を聴いて、彼に全てを任せることになったとのこと。この話は今回初めて知りました。

ロレンスとジバゴに出演したオマー・シャリフも思い出を語ってくれていました。(←これも今回のお目当ての1つ♪)
「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」以来、久しぶりに彼がフランス語で喋っているのも聞けてラッキーでした。そういえば、このお方は、家庭でおフランス語を話すようなエジプト上流階級の出身でいらっしゃいましたw

話してくれた内容は、これまでにもインタビューなどで言っていたこととほとんど重複していて、ロレンスに関してはモーリス・ジャールの音楽が素晴らしかったこと、無名の新人が主役で、恋愛もアクションも無く、砂漠をラクダが走っているだけの映画だったが、脚本もすばらしかった云々。
「ドクトル・ジバゴ」については、音楽がとてもセンチメンタルだった上に、自分の演技もセンチメンタルだったといった趣旨のことを語っていました。

ドクトル・ジバゴ 特別版 [DVD]

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また、生前のデビッド・リーン監督をはじめ、ピーター・ウィアー監督やアドリアン・ライン監督など、多くの人が彼との映画音楽制作の思い出を語っていました。

色んな監督のインタビューがあったので、誰が言ったのかちょっとごちゃ混ぜになっていますが、だいたい共通しているところでは、モーリス・ジャールはシーンごとの音楽ではなく、映画全体をトータルで捉えて曲を構築するという点でした。
そういう意味ではオペラコンサートのようなもの、これはデビッド・リーン監督が言っていたことで、ロレンスかジバゴの特典のインタビューでも同趣旨のことが語られていました。

あとは、確かピーター・ウィアー監督だったかと思いますが、彼の音楽は雄大な風景を想起させる、映像はあくまでも2次元の世界だが、音楽がつくことで3次元の世界になる。これは激しく納得。
ロレンスやジバゴ以外に自分が見ていない映画で、彼が作曲した曲がいくつも流れましたが、砂漠とか草原とか、とにかく広大な景色に合うドラマチックな音楽が本当に素敵で、どれもこれも見てみたくなりました。

それ以外のエピソードでは、ジャール氏が敏感に監督の表情を読み取って、意図するところを汲み取り、いくつものパターンをピアノで弾いて試してくれる姿勢、作曲にかける集中力がすごい、本当にプロだった、本人が何と言おうと彼は優れたピアニストでもあった、などなど。

モーリス・ジャール本人が作曲の思い出話を語ってくれているのも、もちろん興味深かったです。
気心のしれたデビッド・リーンとの仕事については、彼の場合、音楽的なことはあまり言わず、情景やイメージを伝えてきて、そんなイメージに合う音楽を要求してきたとのこと。
彼のイメージを汲み取って、ピアノで「こんな感じはどうでしょう?」といくつものパターンで引き分けたりしながら相談しているシーンなど見ものでした。
「ドクトル・ジバゴ」では、最初、ロシア的な音楽を用意したそうですが、彼は納得せず、試行錯誤の結果、あまりロシア的でない旋律にバラライカをうまく使うことであの「ラーラのテーマ」が出来たそうです。
こういう制作話を聞くと、また改めて映画を見てみたくなってきます。

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リーン監督の作品のうち、「インドへの道」と「ライアンの娘」は未見ですが、これも音楽がつくられる経緯がなかなか面白かったので、そのうち見てみるつもり。

あとはルキノ・ヴィスコンティ監督の「地獄に堕ちた落ちた勇者ども」も見ないと!
この映画の作曲依頼があった時のことについてもインタビューの中で少し触れていて、ちょっと興味をそそられました。

地獄に堕ちた勇者ども [DVD]

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依頼があったので早速ローマに飛んだところ、ヴィスコンティは不在で何日経っても現れない。「ヴィスコンティさんには一体、いつ会えるのか」と聞いたところ、「彼は今、ウィーンでオペラのリハーサル中だ」とのこと。これについて「自分は仕事をしにきたのであって、オペラや音楽鑑賞のためにローマに来たのではないのに・・」と言っていましたが、これについてはその後、どうなったのかもっと詳しく聞きたいところでしたが、次のエピソードにうつってしまいました。

インタビューを通して、これだけ有名に映画音楽界に無くてはならない存在となってからも、非常に謙虚で研究熱心な人柄が伝わってきました。
既存の作曲方法や楽器にこだわらず、新しい手法や世界各国の様々な楽器を使い、それぞれの映画にあった音楽をつくりだす事へのこだわりは凄くて、職人気質な人なのがわかります。

また、本当に謙虚で、「本当に自分は音楽のことを熟知しているのだろうか」と自問する姿勢、独りよがりにならず、監督やその映画関係者が求める音楽について、いつも彼らと相談して、意向を確かめながら作曲する姿はさすがだと思います。
こういう人だからこそ、多くの監督が彼に仕事を依頼し、素晴らしい映画音楽が生まれたのでしょう。

一方で、「駄目な映画はいくら良い映画音楽をつけても駄目だ。逆に良い映画であっても音楽によって台無しになることもある。音楽が必要の無いところにも音楽をつけたがる監督もいる。それは作曲家の責任ではなく監督の責任だ。」との見解も示していました。

最後はやはり「アラビアのロレンス」のコンサートで彼が指揮をしているシーンで終わりました。素晴らしい映画音楽を数多く作ったといえども、やはり代表作はこれになるということですね。
コンサートの観客と一緒になって拍手をしたくなる素敵なドキュメンタリーでした。
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by icewine5 | 2009-06-28 17:25 | 映画

レッドクリフ PartⅡ

レッドクリフPartⅡ、ようやく観てきました。
PartⅠでは、久々に自分の中の三国志熱が戻ってきて、ちょっと興奮気味の感想(こちらこちら)でしたが、Ⅱを観て過大評価だったことが分かりました。
1回みれば、私はもういいです。
う~ん、アクション映画としては面白いのかもしれないけど、三国志の心理戦、情報戦を楽しみにしていた自分としてははっきり言って期待はずれでした。

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ネタばれになりますが、最後の救出劇ってなに、あれ(呆)?
リポビタンDのCMかと思いましたよ(苦笑)

史実と違うとか演義がどうとか、そんな野暮なことを言うつもりは毛頭ありません。
映画やドラマを見て、史実がどうこうと薀蓄たれる輩はドキュメンタリーでも見るか、歴史書でも読んでろ、というのが原則、自分の考えです。(もちろん、あまりにも事実からかけ離れた奇想天外なストーリーはパスです。)
映画やドラマを見る醍醐味は、史実をどう料理してフィクションならではの個性的な解釈やきめ細かな人物描写、心理描写がなされるかということなので、その部分が薄いと、がっかりしてしまうんですよね・・・
まあ、CGバリバリのアクション系の映画が好みじゃないというのもありますが。

PartⅠの感想でも書きましたが、前半が人間関係と出来事の紹介に重点を置いているため、ある程度、出来事の羅列になっているのは仕方ない分、後半は赤壁のヤマ場をむかえ、孫権&劉備同盟軍VS曹操軍の心理戦、情報戦を楽しみにしていたのですが、その部分は意外なほどあっけなく終わってしまいました。

赤壁で何が一番面白いかって、火攻めそのものよりも、それに至る過程における周瑜と曹操の情報戦、劉備陣営と孫権陣営の微妙な同盟関係の動向、その背景を背負った周瑜と孔明の駆け引きと知恵比べの部分なんです。(あくまでも自分は、ですが)
火攻めはその最終結果に過ぎないわけで、曹操側の船に火がついたら、もうそれでいいわけです。

それが、曹操VS周瑜の情報戦でキーパーソンとなるはずの龐統は出てこなかったし、蒋幹は、えっ、ここで死んじゃうの?という場面であっさり殺されてしまうし・・・
そういえば、苦肉の策もさらっと流されちゃってましたね。

だいたい、曹操の描かれ方はいくらヒールだとしても、ちょっと雑すぎると思いました。

ジョン・ウー監督の他の作品を観たことが無いのですが、この監督の場合、アクションシーンは得意のようですが、人物描写や行動描写はあまり上手ではないのか、ちょっと薄っぺらいように全体を通して思いました。

劉備との同盟解消が実は作戦だったという点にしても、いきなり火攻め寸前で言われるし・・・私としては、そこをもっときちんと描いてよ~と言いたい!
それで最後に友情を持ち出されても、友情の価値が軽くなるだけです。

また、監督は周瑜と諸葛亮のやりとりを通じて、男の友情も描きたかったようですが、なんだかそれも薄っぺらで、充分には表現されていなかったように思います。

女性の描かれ方も、映画として華となるヒロインが必要ということで、男の世界なのに無理やりエピソードを入れ込んだようで、不自然だと思いました。

例えば、作戦会議や兵の訓練場に普通に尚香や小喬がいたのも違和感がありました。

小喬が、単独で曹操のもとに出向くのは、物語の展開としても、やりすぎだと思うし、そもそも、あの状況の中、殺されないのも非常に不自然。
映画そのものはフィクションだから史実に沿っている必要はないし、独自の解釈で構わないと思いますが、フィクションの枠の中において、登場人物の行動やストーリー展開にリアリティが無いのは、駄目だと思います。

また、尚香のスパイ作戦についても、スパイ活動そのものはまあ許せる範囲だけど、尚香と曹操軍の兵士との安っぽい友情物語なんて、はっきり言って「こども三国志」レベルです。あんな簡単に友情なんて普通に考えても結べないでしょうよ(苦笑)。
余計な子供だましのエピソードなど挟まず、単純に諜報活動に徹していたほうがよっぽどストーリーとしても引き締まったのに、もったいないです。
どうせ絡ませるなら、名も無い兵隊よりも将来の結婚相手となる劉備に絡ませた方が面白かったのではないかと思います。

要するに一番力が入っていたのは、映画後半の火攻めと戦闘シーンなんですよね。
もう、後半の火攻め部分が長い、長い・・・
曹操側の船に火がついたあたりは、「おぉっ!」と思ったんですが、周瑜だけでなく孫権や尚香まで対岸に上陸して戦い始めたあたりから、飽きてしまいました。
これはきっと、曹操探しと小喬レスキューのアクションになるんだろうなと、容易に先が読めてしまう展開。

最近のCGを駆使したアクション映画はまず見ないので、分からないのですが、あんなに場面がめまぐるしく変わるんですかね。なんかチラチラして見難いし、しかも音量が大きすぎてうるさくて仕方ありませんでした。音がでかけりゃ、それで迫力が出るというものでもなかろうに。

とにかくものすごく大勢に人員を投入して、CGを駆使したんだなというのはよ~く分かりましたが、ただそれだけという感じ。奇しくも、スピルバーグ監督がCGとロケの本物感の違いは観客に伝わるものだと言っていた事を身を持って実感することになりました。

最後、曹操の前に孫権、周瑜、小喬、劉備、関羽、張飛まで雁首そろえて勢ぞろい(今さら、この状況はあり得ないというのは置いといて 笑)したシーンのあまりのベタさに、観ているこっちは萎え萎えです。
テラスの上から落とされかけた小喬救出の場面は、まさに「ファイトー!イッパーツッ!」を思い起こさせるもので、もうゲンナリ。

こうなったら、小姑的な突っ込みをもう一つ。
尚香が火攻めの最中に「友情を交わした」兵隊と再会するシーンで彼女の手元が数秒映ったのですが、爪のお手入れがきれいになされすぎでしたw
さすがにマニキュアは塗っていなかった(はず?)けれど、甘皮はきれいに処理されていたし、爪の表面のでこぼこも磨かれていたみたいな感じだったので、あの戦闘シーンではちょっと目立っていました。
本来は呉のお姫様なのだから、爪ぐらいきれいにお手入れしているという設定なのかもしれないですが(深読みしすぎ?)、戦場の修羅場では土や返り血で手だって汚れていると思うのです。
地味オタ女の自分ですら気になるんだから、非オタの普通の女性なら爪先は日常生活でも結構チェックする箇所だし、爪がきれいすぎなのはやっぱりちょっと変(笑)。

軽~く楽しむ娯楽映画の大作といえば、確かに大作でしょうけれど、いまひとつ後に残るもののない中途半端な映画でした。
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by icewine5 | 2009-05-13 02:28 | 映画

八甲田山

今、映画「八甲田山」にハマってます。
去年の秋、八甲田方面に旅行に行った際、八甲田ロープウェイの頂上でこの映画の映像が流れていたのを見て興味を持ったのがきっかけです。
八甲田雪中行軍を描いたこの映画、北大路欣也の「天は我々を見放した!」という台詞が有名だということぐらいしか知らなくて、今年初めに購入していたのですが、冬場の寒い時にどうも見る気がせず、ようやく暖かくなってから観てみたわけです。

八甲田山 特別愛蔵版 [DVD]

M3エンタテインメント

スコア:


いや~、予想していた以上に迫力満点!強烈な映画でした。
今まで観ていなかったのが惜しまれるぐらい。いまだに頭の中を彼らが行軍中に歌った軍歌「雪の進軍 氷を踏んで どれが川やら 道さえ知れず~♪」がぐるぐるまわってます^^;

日露戦争が間近に迫った1902年1月、万が一、ロシア海軍が津軽湾に入り、鉄道や道路を破壊され、青森、弘前、八戸の連絡路が絶たれたことを想定し、八甲田山中を越える訓練をするのが雪中行軍の目的。
徳島大尉の率いる31連隊と神田大尉の率いる5連隊がそれぞれ同時期に弘前、青森から雪中行軍を行うも、神田大尉率いる5連隊は悪天候や指揮系統の乱れでほぼ全滅となった大惨事をこの2つの隊の行動を時系列で描いた映画です。

史実とは異なる部分も多少あるようですが、同時期に出発した31連隊は一人の死者も出さず成功したのに対し、一方の5連隊が多数の死者を出す結果となった経緯がとても分かりやすく描かれていて、色々と考えさせられる名作でした。
また、この映画が組織論の観点からも評価されているのがよく分かりました。

映画の原作である新田次郎の「八甲田山死の彷徨」もそのうち読んでみたいです。

八甲田山死の彷徨 (新潮文庫)

新田 次郎 / 新潮社


以下、思うことは色々とありますが、組織論については多くの方が語りつくしているので、それ以外でツラツラと感想を・・・

まず最初に、この映画を見るにあたっては、手元に地図が必要だと思いました。
成功した31連隊と失敗した5連隊の行程について、映画では冒頭の計画説明で簡単に説明されるだけなので、八甲田山系に土地勘の無い自分の場合、田代とか三本木とか賽の河原と言われても、一体、今どのあたりに彼らがいるのか、予備知識もなく最初に見たときはさっぱり分かりませんでした。
あとで、地図を確認して改めて見直してみるとようやく実感としてつかむことができました。
実は、地図を見るまでは、もっと八甲田のど真ん中で遭難したのかと思っていたのですが、案外、山麓の部分で、今ではすでに道路も完備されている場所だったのですよね・・・
とにかく、彼らが行軍した場所の地理関係をしっかり頭にいれておくのとそうでないのとでは、映画の理解度が大分かわってくると思います。

そのうえで、まず最初にすごい!と思ったのは、出演している俳優陣の豪華なこと!
弘前から31連隊を率いた徳島大尉を演じた高倉健、青森から5連隊を率いた神田大尉を率いた北大路欣也、神田大尉に余計な口出しをして結果的に隊を全滅に追いやる山田少佐を演じる三國連太郎、山田少佐の部下の加山雄三、地元出身の伍長で最後まで生き残った村山伍長演じる緒形拳、31連隊の案内人となる村の女を演じる秋吉佐和子、神田大尉の妻、栗原小巻、寒さのあまり気が狂って裸になって凍死する兵隊に大竹まこと、その他、連隊のお偉いさんに丹波哲郎や大滝秀治、藤岡琢也などなど、芸能人に疎い私でもわかる錚々たる面々が出演していることに驚きです。
大河ドラマでもこれだけの役者をそろえるのは大変なことだろうな~

もうひとつ、この映画のすごいところは、なんといっても過酷なロケによる本物感でしょう。
よくまあ、これだけの過酷な自然環境を映画の中で再現したものだし、また、俳優さんも本当にこの寒さの中、よく耐え抜いたものだと、ただただ感心するばかりです。
最近のCGでは絶対に表現できない迫力だと思います。

デビッド・リーン監督の「アラビアのロレンス」の特典映像の中で、スティーブン・スピルバーグ監督が今時の映画だったらCGでできることを全てロケで撮影したところに価値があり、CGでもロケでも観客には分からないというのは間違いで、ロケの本物感は見る人には伝わるものだといった趣旨のことを言っていましたが、それはこの「八甲田山」にも言えることです。
これがCGだったら興ざめですが、本物だからこそ、見る側はその圧倒的な自然の脅威に引き込まれるんだと思います。

この映画の良いところはもう1つあって、雪地獄の白い画面ばかりでなく、その合間合間に神田大尉や徳島大尉の目を通して、春や夏の緑豊かな青森や弘前、八甲田の景色やねぷた祭りの光景が色鮮やかに映し出されることです。

これは行軍前に神田大尉と徳島大尉が飲みながら話していた会話が伏線となっていました。
神田大尉は極限状況にあればあるほど、子供の頃に馴染んだ自然の野山の美しい風景が思い浮かぶと言っていたのに対し、徳島大尉はもっと実務的な事を考えると話していたのですが、実際に八甲田山中で過酷な状況の中、徳島大尉は春や夏の美しい八甲田の景色を思い出し、神田大尉の言っていたことを実感するわけです。

私事ながら、11年前、死んでもおかしくない極限状態で自分は一体何を考えたのだろうかと思い返してみたのですが、自分の事よりも目の前で意識を失っている家族のことで頭がいっぱいでした・・・
他の人はどうかわかりませんが、人間の生命力というか、生存本能ってものすごく強いものがあって、自分の場合、一歩、間違っていれば死んでいたにも関わらず、その時には自分が死ぬとは全く思っていないんですよね。
多分、そこで「もう死んでもいいや・・」と思ってしまったら、それで最後。
最後の最後に効いてくるのは生きるための気力なんです。

雪地獄の中、ほっとする映像は緑豊かな八甲田のほかに、行軍に成功した31連隊の光景にもありました。
映画の中では、31連隊と5連隊の行軍状況がかわるがわる映されるのですが、5連隊の地獄の行軍の間に、31連隊が着実に安全に進んでいる様子がわかると観ている方も本当に安心します。
特に峠を越えるための案内人の村の女サワちゃんに徳島大尉以下一同がかしら右!で敬意を示すシーンにはほろりとさせられました。やっぱりこういう謙虚さが必要なんですよね。

案内を買って出た村人に自分達はコンパスと地図があるから案内人などいらん!と尊大な口を利いていた5連隊の山田少佐にこの謙虚さがあれば、ここまでの惨事にはならなかっただろうにと思わずにはいられません。
このあたりは組織のあり方に関わってくるところで、実際の雪中行軍はどうだったのかよく分かりませんが、映画では、本来、隊を統率すべき神田大尉に対し、階級が上の山田少佐が何かと指揮に口出しをして、判断を誤ったことが失敗の原因として描かれています。

ただ、この山田少佐、救出された際に、全ての責任は自然を甘く見た自分にあると潔く認めて自殺したところは、さすが明治の軍人でした。不祥事に対して言い逃ればかりする今時の政治家や企業のトップとはえらい違いです。

映画の最後は現代(映画が作成された当時だから70年代?)の八甲田山になるのですが、そこに緒形拳演じる雪中行軍の生き残りの兵隊が現れ、八甲田ロープウェーや雪中行軍遭難記念碑を訪れるんですが、それが妙に印象に残っています。
初めて観た時はこの生き残り兵隊が誰なのか分からなかったのですが、途中で隊列を離れ自力で最初の目的地の田代まで辿りついた村山伍長でした。

圧倒されて観ていたのは本当なのですが、あまりにも過酷過ぎて、一番の泣き所である徳島大尉と亡くなった神田大尉の再会シーンも、実は、逆に淡々と観ていたのですが、最後、緒形拳の演じる老兵の顔のアップの場面でどっと涙腺が緩んでしまいました。
言葉は一言もないのに、八甲田を見つめるその表情があまりにも色々語っていて、一番最後にやられた!という感じです。
主役であるはずの神田大尉や徳島大尉が一瞬かすんでしまうほど。
最後の最後で強烈に印象に残る場面で、役者としては美味しい役(こういう言い方はこの映画には不謹慎かもしれませんが・・・)だなあと思いました。
さすが、緒形拳ってすごい俳優さんだったんだ、といまさらながらに実感しました。

まだまだ書きたいことは多々ありますが、長くなったのでこれぐらいにします。
一度は、大画面で見てみたい映画でした。
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by icewine5 | 2009-05-11 00:22 | 映画

マリア・カラスの真実

ユーロスペースで公開中のフィリップ・コーリー監督の「マリア・カラスの真実」を観て来ました。

20世紀最高の歌姫、マリア・カラスの生涯を描いたドキュメンタリー映画です。
マリア・カラスの歌はもちろん聴いたことがありますが、彼女の詳しい生い立ちや私生活についてはあまりよく知らなかったので、非常に興味深く観ることができました。

ギリシャ移民の子供としてニューヨークで生まれた彼女が歌姫として成功に至る道すじ、その過程において彼女の人生を左右することになる多くの人々との出会い、私生活では、母との断絶、30歳年上のジョヴァンニ・バッティスタ・メネギーニとの結婚と離婚、オナシスとのスキャンダル、孤独な晩年など、歌姫であると同時に、一人の生身の人間としてのマリアの姿を描き出した作品でした。
また、マリアが本当に意味で活躍していた期間は1950年代半ばから60年代前半の10数年と、意外と短い期間であったことも初めて知り、この世界で実力を保ち、名声を維持し続けることがいかに厳しいことなのかがよく分かりました。

映画冒頭は、1958年12月、マリア・カラスがパリ・オペラ座デビューを飾るところから始まります。
ブリジット・バルドーや仏大統領、チャップリンやジャンコクトーなど、彼女のパリ・デビューに集まった面々の凄いこと・・・

冒頭に出てきた人達以外にも、彼女の人生に多大な影響を与えた人物が映画の中には何人も登場するのですが、それがまたとにかく凄い。錚々たる面々です!
マリアと愛人関係にあったアリストテレス・オナシス、マリアのためにオペラを演出したルキーノ・ヴィスコンティ、グレース・ケリー、ピエル・パオロ・パゾリーニなどなど。

映画はマリアの絶頂期ともいえる華やかなパリ・デビューから1923年の出生までさかのぼります。
18歳でのデビュー後も決して平坦とはいえない道のりで、途中で母との断絶など悲しい出来事もありましたが、ミラノ・スカラ座の女王になるまでの出世物語は観ていて面白かったです。
ただ、彼女の成功は、もちろん本人が生まれながらに持っていた才能によるところも大きいですが、努力の努力を重ねたものだったのがよく分かりました。
それと同時にやはり成功する人に共通していえることですが、運と人脈に恵まれていたこと。それもある意味、実力のうちなんですよね。

1952年には、モーツァルトの「後宮からの誘拐」でコンスタンツェを演じて、どの歌でもよく歌えることを証明し、スカラ座のスターになるわけですが、問題は彼女のルックス。
当時の彼女は体重が100キロを越えていたそうで、ダイエットで40キロの減量に成功します。
20代のマリアは大柄でもっさりした田舎娘だったのが、ダイエット後は、本当に見違えるほど美しくなったのには驚きました。
美を追求した30代の方が断然、若々しく見えるぐらい。プッチーニの孫娘のデザイナー?の協力も得て、服装も急激に垢抜けて、ファッション・アイコンとしても注目されるようになります。
歌手としての名声もあがり、上流階級の仲間入りをした彼女が、年齢を重ねるほどにほっそりとエレガントになっていく姿は素敵でした。

スカラ座の大株主であり、ミラノ公の一族でもあったヴィススコンティとオペラや仕事について話すマリアはまさにミラノ・スカラ座の女王様の風格で、とっても格好いいです。
この対談がいつ撮られたものなのかよく分かりませんでしたが、ヴィスコンティが彼女のために演出を多く手がけた1950年代後半の絶頂期かと思われます。

ヴィスコンティとの会話の中で、マリアは「椿姫」と「ノルマ」がお気に入りだと話していました。どちらも愛のために自分の人生を犠牲にする女性だからというのが理由だそうで、後から振り返ってみると、その後の彼女の人生を暗示しているようでもあります。

ヴェルディ:歌劇「椿姫」全曲

カラス(マリア) / EMIミュージック・ジャパン


ヴィスコンティが演技指導をしている映像など、お宝映像も盛りだくさんでした。
ヴィスコンティ演出でマリア・カラス主演のオペラとは、なんて贅沢な!生で観られたお客さんは幸せだなぁ・・・

余談ですが、ミラノ・スカラ座に集まる正装したお客さんのゴージャスさにもため息が出てしまいました。

ただ、彼女の絶頂期もそう長くは続かず、メトロポリタン歌劇場支配人との見解の違いによる契約破棄や断絶していた母からの中傷や体調不良のために公演最中で放棄したことに対して聴衆の批判など、マリアが完璧主義者であるがゆえに生じる数々の摩擦には、見ているこちらもハラハラさせられました。

そんな時に彼女の前に現れたのがアルキメデス・オナシス。
オナシスの誘いに乗って彼のクルージング船に乗り込んだマリアはその後、オナシスと愛人関係となり、30歳年上の夫との離婚。ここでもマスコミに批判されることになります。
ただ、彼女自身はこの映画を見る限り、本気で一途にオナシスを愛しているのがわかるだけあって、それが逆に痛ましいのです。
オナシスの子供を妊娠、早産し、数日後にその子供が亡くなったことも初めて知りました。

映画を見ていてふと思い出したのが、マリア・カラスと同様、不世出の天才として名高いチェリストのジャクリーヌ・デュ・プレ。
彼女を描いた映画「ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ」で姉ヒラリーが「妹はチェロの天才だった。でも、人生の天才ではなかった」と言っていましたが、人生の天才ではなかったのはマリア・カラスもそうだよな~と、この二人にどこか共通点があることを思わずにはいられませんでした。
音楽家としては最高の栄誉を得て、成功したわけだけど、生き方については、よく言えば一途で純粋、率直に言うと、あまりにも不器用。
それゆえに、愛する人に裏切られて精神的にボロボロになっていった晩年のマリアの姿は見ていて痛々しかったです。

1966年、オナシスと結婚できると思って、ギリシャ国籍を取得したことを嬉しそうに記者に話していたのに、その後、オナシスはジャクリーン・ケネディと電撃結婚してしまう。
要するにオナシスに二股をかけられていたのに、それでもマリアは彼を忘れられなかったようです。第三者の自分からすれば、「こんなダメンズはやめとけよ!」と冷静に判断できるんですがね~
オナシスが亡くなった後、それまで美しかったマリアが急に老け込んで、50代とは思えないおばあさんになってしまったのもちょっとショックでした。

50代のマリアがTVの取材の中で、「自分は若い人たちにアドバイスしたいと思っているのに、誰も自分に教えを乞おうとしない。誰も自分を必要としていない。」といった趣旨の発言をしていたのが印象に残っています。
人間、どんなに多くの人に賞賛されようとも、やはり自分を愛し、必要としてくれる人がいないことほど寂しいものはないのですよね・・・
1977年に孤独死したマリアの遺品はオークションにかけられ、残ったのは彼女の歌声だけだったというナレーションで不覚にも涙がこぼれそうになりました。

今まで知らなかったマリア・カラスの人となりに触れることができてよかったです。
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by icewine5 | 2009-05-05 23:50 | 映画

「シリアの花嫁」

岩波ホールで公開中のエラン・リクリス監督「シリアの花嫁」を観てきました。
舞台はイスラエル占領下のゴラン高原の小さな村、マジュダルシャムス。
この村の娘モナがシリアに住む親戚の人気俳優タレルに嫁ぐ結婚式の一日を追った作品です。
結婚式といっても単におめでたい楽しい幸せな日ではありません。
複雑な中東の宗教、政治・軍事情勢が背景にあり、それと絡んでモナの家族それぞれが抱える問題も浮き彫りにした作品であり、不況とはいえ平和な日本に暮らす自分とはあまりにも違う環境の中で暮らす彼女達の姿に、家族の絆とは何か、女性の自立とは何かなど、色々考えさせられました。

また、一癖も二癖もあるモナの家族達など登場人物のキャラクター描写がとても生き生きと鮮やかで、一種の群像劇としても優れた作品かと思います。
中でも、登場する女性達が、アジアや西洋の人たちが一般的に持っているステレオタイプな中東女性のイメージを覆す芯の強さと自己主張する力を持っていたことも印象的でした。
涙あり、ちょっとしたユーモアあり、そして最後には希望も感じさせるとても良い映画だったと思います。

以下、ネタばれあり、ツラツラと感想。

モナの住むゴラン高原の村は、イスラムの少数派であるドゥルーズ派の人たちが多く、元々シリアへの帰属意識が強い地域ですが、イスラエル政府がゴラン高原を一方的にイスラエル領として併合したため、住民の多くは「無国籍者」となりました。
イスラエルとシリアは国交がありませんから、無国籍者のモナがシリアに嫁ぐ場合、一旦、国境を越えると、イスラエル占領下の実家には二度と戻れません。

以前、NHKのドキュメンタリー番組で、占領地域の住民とシリア側に分かれて住む家族が国境地帯で、拡声器を使って会話するシーンを見た記憶があるのですが、この映画でも、モナの父親とシリアに住むモナの弟が拡声器で話す、まさに同じ場面がありました。

要するに、モナの結婚式はお祝いの場でもあると同時に、家族の別れの場でもあるわけです。
しかも結婚相手は親戚とはいえ、テレビでしか見たことのない相手とあって、家族と分かれる悲しさと未知の相手に嫁ぐ不安を隠しきれないモナとその家族。
ウェディングドレスで美しく着飾った姿が、見る者にはかえって痛ましくうつってしまいます。

そんな状況でなぜわざわざ結婚しなければならないのか、それぐらいなら村の中で相手をみつけるか、結婚しなければいいのにと、結婚するのもしないのも自由な日本に生まれた自分なんかはついそう思ってしまうのですが、それが無理なのがこの地域なんですよね・・・

ストーリーはモナの結婚を中心に進むのですが、モナをとりまく家族たちの抱えた問題もこの映画では重要な要素になっていました。
親シリア派の運動家でイスラエル警察につかまったこともある父ハメッド。
封建的な夫との関係に悩み、自立のため大学入学を目指している姉のアマル。彼女は映画のもう一人の主人公といってもよい存在です。
このほか、ロシア女性医師と結婚して勘当された長兄ハテムも8年ぶりに妻と子を連れて帰宅するのでが、頑固な父とはギクシャクしたまま。
イタリアで商売をやっているお調子者の次兄マルワンやシリア側で暮らす大学生の弟ファーディ。

彼らのエピソードは基本的にはシリアスなんですが、所々に盛り込まれたユーモアが、隠し味になっていて、思わずクスッと笑ってしまうこともありました。
モナの結婚の話であると同時に家族の群像劇でもあって、短い一日の中で彼らの人となりやこれまでの人生が見えてくるあたり、三谷幸喜さんのドラマやお芝居を思い起こさせるところがありました。

そんな彼らが一堂に会するのがイスラエルとシリアの国境地帯。
ここでモナは家族と別れて、新郎の待つシリアへと渡ります。物語はここまで比較的スムーズに進行して、この後、家族の涙の別れのシーンを経て、花婿の元へ向かうのかなと思ったのですが、実はここからがそう簡単に一筋縄ではいかないところが、イライラ、ハラハラさせられました。

イスラエル側の検問所では、特に問題なく出国手続きが済み、国連事務所の国際赤十字委員会のスタッフ、ジャンヌ(お調子者マルワンの元恋人でもあります)がモナのパスポートを持って、シリア側の検問所に手続きに行くのですが、そこで問題が勃発。
イスラエルの制度がかわって、これまでパスポートに押されていなかったイスラエルの出国印が問題となって、パスポートをつき返されてしまいます。
ゴラン高原はシリア領だから花嫁はシリア領内で移動するだけの話であり、「出国」とは違うというのがシリアの言い分。確かにその通りなんですよね。
結局、ジャンヌはイスラエル側とシリア側を行ったり来たりするものの、全く埒が明かない状態。家族の精神的疲労も蓄積するなか、国境の柵の前で覚悟を決めたようにじっと座って待つウェディングドレス姿のモナは本当に気高く美しいです。

ジャンヌが融通のきかないイスラエルとシリアの態度に匙を投げてしまい、家族が右往左往している間に、気がついたらモナは国連の車が国境の柵を通過したのにまぎれて、シリア側の花婿の元へ確かな足取りで進んでいきました。
それを柵越しに見送る姉アマルの表情が切なく涙をこらえつつも、どこかに希望もある表情だったことに観ている私もホッとしました。
勘当された長兄と父親も和解し、父が息子の肩にそっと手をかけるシーンでは思わず涙がこぼれました。

まだまだ封建的な家父長制度の中で生きているとはいえ、現代アラブの女性達の強さを感じさせる映画でふと思ったのですが、モナの姉や姪たちの存在感と行動力に比べて母親の印象が薄い点。
モナや姉アマルは今時の女性らしくジーンズにセーターといった装いで、スカーフもつけておらず、車も運転するし夫や父親にも意見するのに対して、昔ながらの服装の母親はただ家族を見守るだけ。
姉アマルがモナの母親がわりといった立場で嫁ぐモナを勇気づけたりしているのが、最初、不思議だったのですが、恐らくこの地域の女性達がかわってきたのがアマルの世代以降なんだろうというのが、ストーリーが進むうちに見えてきました。

ちょっと横道にそれますが、私の中の中東の女性のイメージを覆す存在として、ヨルダンのラニア王妃がちょっと気になっています。
世界一美しい王妃と賞されることもあるこの王妃様、本当に映画女優のように美しいのですが、単に美しいだけでなくパレスチナ出身のキャリアウーマンだっただけあって、女性の自立や地位向上などに熱心に取り組み、精力的に活躍しているそうです。

初めて彼女の存在を知ったときは、中東の王妃様というステレオタイプなイメージとのギャップにかなり驚きました。
なにしろ、自分の公式HPを持っているぐらいですから。
雅子妃を籠の鳥にしている日本の皇室なんかよりもずっと開放的で進んでいるんじゃないでしょうか。
雅子様にもラニア王妃と同じように活躍できる能力と魅力を本来備えていらっしゃるだろうに、日本の皇室にはそれを生かす環境が整っていないことが残念でなりません。

とまあ、芯の強い現代アラブ女性の生き様を描いた映画を見ながら、そんな事も考えたりしました。
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by icewine5 | 2009-04-05 23:53 | 映画

ひたすらオマー・シャリフ三昧

全く不景気にも関わらず、忙しさだけは変わりません。今年も憂鬱な年度末の時期を迎えました。
で、こういう時に限ってその反動で、夜遅く帰ってから普段よりも真面目に料理作ってしまったり、夜中にシャワー浴びていて、床の汚れが気になってブラシでゴシゴシやりだしたり、別に今やらなくてもいい事をなぜかしてしまうんですよね。

で、極め付けが「アラビアのロレンス」です・・・

アラビアのロレンス 完全版 [DVD]

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

スコア:

結局、年末以来4回、映画館に観にいってしまいました。自分でも何やってるんだか・・・
お目当ては、もう何度も書いていてしつこいですが、オマー・シャリフ演じるアリ。
公開も今週で終わり。次に映画館で観られるのはいつのことになるのでしょう。
この余韻にひたるため、日々ビデオでオマー・シャリフ出演作とデビッド・リーン監督作品に浸る夜更かし生活を送っています。
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こちらは、映画館で買ったラクダのクッキー。ラクダってアップで見るとなかなか愛嬌のある顔をしています♪

あちこちブログ巡りをして映画レビューを読みましたが、やっぱり男女問わずオマー・シャリフのアリを評価していらっしゃる人が多いようで、自分の事のように嬉しいです(^^♪
「オマー・シャリフ演じるアリ首長がかっこいい」「痺れる」「美しい」「男らしい」「最高」「素晴らしい」などなど。
うんうん、分かります。あの映画を見たら、まず大抵の人はアリに惚れるよね。
美丈夫ってまさにこういう人の事だと思います。

デビッド・リーン監督は当時、欧米では無名の新人だったオマー・シャリフに「『アラビアのロレンス』が公開されたら、君は大スターになる。」と言ったそうですが、さすが名監督、見抜いてるなあと思いました。
どこの新聞記事か忘れましたが、この映画でロレンス役のピーター・オトゥールは主役の名声を得たが、オマー・シャリフはその人気を横取りしたといった趣旨の事が書かれていたのを読みました。
それぐらい、あの映画での彼の存在感は大きかったし、演技も素晴らしかったし、とにかく美しかった・・・

そのシャリフ出演作のうち、「ロレンス」「ドクトル・ジバゴ」「ファニー・ガール」「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」(←リアルタイムで観たのはこれだけ)といった代表作、それと「将軍たちの夜」「黄色いロールスロイス」などは昔、一通り見たので、それ以外の映画(本人が自分自身で言っているたくさんの「駄作」も含めて)を大人買いして楽しんでますw

とりあえず、今手元にあるのは・・・
ドクトル・ジバゴ

ドクトル・ジバゴ 特別版 [DVD]

ワーナー・ホーム・ビデオ

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「アラビアのロレンス」と並ぶシャリフの代表作。人気が本格的になったのはこの作品からのようです。

日曜日には鼠を殺せ

日曜日には鼠を殺せ [DVD]

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

スコア:

これは隠れた名作でした!

夕映え

夕映え [DVD]

東北新社

スコア:

スパイ映画としては面白い方かも。

華麗なる相続人

華麗なる相続人 [DVD]

パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン

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見事に駄作でした(笑)キャストはとっても豪華なのに・・・

とりあえず、次エントリーで「ドクトル・ジバゴ」の感想を書くつもりです。
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by icewine5 | 2009-02-11 02:24 | 映画

「アラビアのロレンス 完全版」再び

高校生の頃、友人の感化でT.E.ロレンスとその時代にはまって、その後、夢中になった映画、デビッド・リーン監督の「アラビアのロレンス」を昨年末に初めて映画館で見て(感想はこちら)、再びロレンス熱が復活。
今年に入っても未だにひきずっていて、1月上旬、再び映画館に足を運びました。もう1度はきっと行っちゃうだろうな・・・
映画館の大画面で再び見てみると、主要な登場人物以外に画面の片隅で動いている出演者やエキストラの動き、らくだや馬の装飾など細かいところをチェックする余裕も出てきて、何度見ても4時間があっという間で、飽きることがないです。
あ~、またあのカイロの喧騒を味わいたい! 砂漠もアカバもダマスカスも行ってみた~い!!

それと、ロレンスのピーター・オトゥールもいいんだけど、やっぱりアリ役のオマー・シャリフ!見れば見るほど格好いい!
以前、ハマった時にもアリに惚れて(笑)、そのあと自然な流れとして、「ドクトル・ジバゴ」を始め、オマー・シャリフ出演作を見漁ったわけですが、今再び、一人オマー・シャリフ祭り状態。
当時と違って、インターネットがあるおかげで、ひたすら、ロレンス関連のサイトとオマー・
シャリフ関連の情報漁りをしているために、毎日、寝不足状態です。

アラビアのロレンス 完全版 [DVD]

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

スコア:


昔テレビでやっていたのを録画したテープでは飽き足らず、結局、特典映像に惹かれてDVDも購入してしまい、ほとんど毎日、他の事を放ったらかしにして、日課のように見ています。
改めて自分がどれだけロレンスとこの映画が好きだったか自覚しました。
映画の原作となったT.E.ロレンス著「知恵の七柱」の完全版も昨年出版されているので、これもそのうち読まなくては!

完全版 知恵の七柱〈1〉 (東洋文庫)

平凡社


この完全版DVDの特典映像がとっても贅沢です。
ファンにとっては非常に美味しい特典でしたので、このうち「メイキング・ドキュメンタリー:名作誕生秘話」を中心にちょっと感想を書き留めておきます。
それと一部「ドクトル・ジバゴ」の特典からも。

ドクトル・ジバゴ 特別版 [DVD]

ワーナー・ホーム・ビデオ

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シャリフ熱の勢いにのって「ドクトル・ジバゴ」も特典目当て注文していたのが、ちょうど昨日届いたんですが、これがシャリフ本人の音声解説付きというロレンス以上に美味しい特典。しかも映画のイントロダクションでは、老いてもなおエレガントなシャリフ本人が登場するという嬉しいおまけつき。
ジバゴの特典でもロレンスの裏話をちょこっとしてくれていました。
そんなわけで、今、私の脳内は、アリとジバゴ、ロレンスの音楽と「ラーラのテーマ」がごちゃ混ぜになってます。
以下、オマー・シャリフにベタ惚れ視点ですので(汗)、あしからず。

メイキング・ドキュメンタリーでは、1989年のデビッドリーン監督のインタビューに始まり、映画化の経緯、キャスティング、撮影時のエピソードや衣装、美術、編集作業、プレミアなど、この映画に携わった関係者のインタビューを交えながら紹介しています。

とにかく、デビッド・リーンという人がいかに完璧主義者だったか、この映画作りに情熱をかけていたかがよく分かりました。
CGなど一切使わず、全てを実際にロケ撮影しているという、今では考えられないある意味贅沢な作り方です。
例えば、砂漠の中を歩くラクダと人間が豆粒のように見える映像も実際に俳優が乗っていたとのこと。リーン監督は俳優に砂漠のベドウィンの気分を実際に感じさせるためにそうしたんだそうです。
イメージに合うロケ地を何日もかけて探したりとか、本当にそのこだわり方には驚くばかりです。

キャスティングに関してですが、映画史家のエイドリアン・ターナー氏は、当時無名だったアラブ人のオマー・シャリフをアリ役に抜擢したことは画期的なことだったと言っています。
リーン監督とオマー・シャリフが初めて出会った時のエピソードは印象的です。
アリ役には最初、アラン・ドロンやモーリス・ロネが挙がっていたのは、以前から知っていましたが、オマー・シャリフに決まった詳しいいきさつについてはこの特典で初めて知りました。
ほとんどロネに決まりかけていたものの、目の色が緑色でリーン監督が気に入らず、多数のアラブ人俳優の写真の中からシャリフを見つけ出したとのこと。
カメラテストの時、リーン監督はシャリフに「忘れるな、君は虎だ。君は虎だ。」と言ったそうで、なるほど、これを知って改めて映画を見ると確かにアリは虎のイメージというのも納得がいきます。
結局、モーリス・ロネを差し置いて、シャリフが抜擢されたわけです。
ヨルダンで3ヶ月待たされたロネは気の毒ではありますが、よくぞ、リーン監督は当時、欧米では全く無名だったオマー・シャリフを準主役に起用してくれたものです!まさに神です。
この配役なくして、この映画はありえないですもん。

このエピソード以外のいくつかのエピソードからも、リーン監督がシャリフを非常に気に入っていたのは確かで、シャリフ曰く「息子のように思っていてくれた」とのこと。
なにしろ次の「ドクトル・ジバゴ」でアラブ人の彼を主役に起用するぐらいですからね。

メイキングでは、ピーター・オトゥールやオマー・シャリフも当時を振り返ってインタビューに答えていますが、特にシャリフは沢山しゃべってくれています♪

個人的にツボだったエピソードについていくつか。
ファイサルを演じたアレック・ギネスはオマー・シャリフのアラビア語風の英語を真似して発音したのだそうです。
確かにアリとファイサルのしゃべり方ってちょっと似ています。
英国人のアレック・ギネスがいかにもアラブ人の王子様らしく見えたのには、こういう工夫もあったのですね。

ピーター・オトゥールとオマー・シャリフがこの映画の出演をきっかけに役と同様、仲の良い友人になったことは知られていますが、そんな彼らの撮影中の楽しいエピソードもいくつか披露してくれました。

ファイサル王子のテントでコーランを唱える場面の撮影での出来事。
結構シリアスで緊張感のある会話が続く場面なのですが、この撮影で、ピーターとオマーの二人が笑いすぎて撮影ができなくなってしまい、アレック・ギネスに「真剣に仕事をしろ」と叱られたのだそうです^^;
映画では、ロレンスは英国将校だし、アリも一族の長だし、口髭も生やしているので、実年齢よりも老成してみえますが、考えてみれば、撮影当時の二人はまだ20代後半の若者。
何でも楽しいお年頃だったんだなあ・・・と微笑ましくなります。

撮影後の話になりますが、アメリカへのプレミアはオトゥールの宣伝に集中するため、シャリフの渡米は無理そうだったところを、オトゥールが「彼が行かないなら自分も行かない」と言ってくれて一緒に渡米できたのだそうです。

2年におよぶ撮影、砂漠での撮影時のテント暮らしについて、オマー・シャリフは 「私達の結束は固かった。テント暮らしで友情が芽生えたんだ。砂漠の真ん中にエキゾティックなバーをつくり、よく一緒に酒を飲んだものだ。ああいう仲間は二度とつくれない。」 と当時を振り返っています。
出演者を含めスタッフの結束の強さが、良い作品として実を結ぶものなんですよね。

そのほか、ラクダに乗る練習の話や、リーン監督を尊敬するスピルバーグ監督が「映画史に残る奇跡だ。」を評したあの有名すぎる蜃気楼からアリが登場するシーンのエピソードなど、ファンにとってはたまらない話ばかりでした。

最後にシャリフはインタビューの中でこの映画について非常にうまく端的にまとめて評していましたので、一部引用します。
 「『アラビアのロレンス』がすごいのは、この映画に出資した人がいるとう事実だ。とても勇気がいる。
当時でこれだけの莫大な制作費がかかっているのに、スターも出てなければ、アラブ人がらくだに乗り、砂漠を走り回っているだけ。美女もロマンスをもなし。
普通ならとてもヒットしそうに思えないが、成功を予見した人々がいたのはすごい。(中略)
『アラビアのロレンス』は大好きな映画だ。私の出演映画で最高傑作だと思う。何十年経っても色褪せない。40年経つと古臭くなる映画も多いが、この映画は変わらない。永遠の名作だ。」 

このシャリフの評が全てだと思います。「永遠の名作」、まさにその通り。
観ているその時は面白いと思っても、たいていはそのしばらくの間だけ、何年経ってもずっと印象に残っている映画で、何度も観たいと思える作品はこの「アラビアのロレンス」だけです。

More(スティーブン・スピルバーグ監督「アラビアのロレンス」)
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by icewine5 | 2009-01-26 00:35 | 映画