晩酌を楽しむような気持ちで日々の思いを書き綴りたいと思います。


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カテゴリ:観劇・音楽鑑賞・博物館( 67 )

英国ロイヤル・バレエ団「ロミオとジュリエット」

サッカー・ワールドカップ、ドイツが負けてしまってがっかりです。非国民の私は日本が負けた時は「まあ、そんなもんでしょ・・・。」ぐらいの気持ちだったのに、ドイツVSスペインはそれよりもはるかに意気消沈してしまいました・・・。
でもオーバーハウゼン水族館のパウロ君は3位決定戦ではドイツ勝利との判断を下しているし、それにかけるしかない!?(映像を見るとウルグアイとドイツで迷っていたみたいで、苦戦が予想されるのか??)
ちなみに優勝はスペインだそうで、これが全て当たったら本当にスゴイです!
今回のワールドカップの影の主役?はこのパウロ君とマラドーナ監督だったんじゃないかと個人的には思ったりします。
あとはご贔屓のミロ君が2大会連続の得点王となることを願うのみです。でも次は欠場かもしれないとのニュースを読んで、それもちょっと心配です。
それにしても、日韓大会の時には若手だったミロ君が今じゃ30代のベテラン扱いなんだから、自分も歳をとったわけです・・・

さて、すっかり時期を逸してしまいましたが、2週間前に観劇した英国ロイヤル・バレエ団の「ロミオとジュリエット」の感想を簡単に。
この日は観劇後に中学・高校時代の同窓会会場に直行して、そこで同窓生のフラメンコダンスをみたり、フラメンコギターデュオの演奏を聴いたりしたのもあって、ロミジュリの印象がかなり薄れてしまっています・・・
同窓会会場でKちゃんに「ロミジュリのバレエ観劇後にフラメンコだと、ギャップが大きいね(笑)」と言われて、確かにその通り^^;。

それとロミジュリの数日前に観た同じく英国ロイヤル・バレエの「うたかたの恋」の印象がかなり強かったというのもあって、ロミジュリは期待の大きさに比べて感動はあっさり気味でした。
とはいっても、やっぱりマクミラン振り付けのロミジュリはとっても素敵でした♪ダンサーも良かったし、衣装も素敵だったし。

英国ロイヤル・バレエ ケネス・マクミランのロミオとジュリエット [VHS]

フェリ(アレッサンドラ) / ワーナーミュージック・ジャパン


振り付け:ケネス・マクミラン
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ

指揮:ボリス・グルージン
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

ジュリエット:マリアネラ・ヌニュス
ロミオ:ティアゴ・ソアレス
マキューシオ:リカルド・セルヴェラ
ティボルト:ギャリー・エイヴィス

「うたかたの恋」と「ロミオとジュリエット」の2作品を観て、素人ながらに感じたことはケネス・マクミランの振り付けは、ダンスだけでまるで漫画の噴出しのように登場人物の感情や言いたいことが観客に非常に分かりやすく伝わってくることかなと思いました。
今回のロミジュリだと、キャピュレット家のティボルトが舞踏会に忍び込んだロミオを見つけて怒るのをキャピュレットが「まあまあ。」と仲裁に入る場面などは、「だけど、叔父上!伯母上!こいつはモンタギュー家の野郎なんですよ!」「おい!ちょっと、おまえ!絶対許せねえ~!、このままじゃすまんぞ!覚えとけっ!」なんていう台詞がそのまま浮かんでくるような感じ。
そんなティボルトがちょっと三枚目っぽくもあるのが、観ていて笑いを誘う反面、憐れというか・・・。

それでいて、バルコニーの場面などのパ・ド・ドゥでは様式美もあって、非常にメリハリのある振り付けだと思いました。
「うたかたの恋」でも思ったのですが、要所要所でピシッと制止する一瞬があるので、ダンスが引き締まって見えたからなのかも。(歌舞伎の見得を切る瞬間とはちょっと違うけど、意図としてはそれに近いような感じ。)

二人の出会いのシーンも印象的でした。お互いじっと立って、見つめ合う時間がかなり長く感じられて、「あ~、ここで二人はビビッときたんだんな。」というのがとても分かりやすく表現されていたように思います。

要は、目の肥えたバレエファンの方や私のような万年初心者のどちらでもすんなり入っていける振り付けといったところでしょうか。

好きな場面だけに絞ると、まず第1幕弟6場 ジュリエットの部屋のバルコニー。
この作品の中で最もロマンチックな場面の一つだと思います。
去年観たデンマークロイヤルバレエのノイマイヤー振り付けのロミジュリ(感想はこちら)では、バルコニーにいるジュリエットが逡巡する姿の初々しさや、ロミオが階段を駆け上って求愛する少女マンガのようなシーンがとても印象に残っていますが、それに比べて、今回の振り付けは割とあっさり二人が意気投合したように感じました。
ノイマイヤーの振り付けとは逆にジュリエットが階段を駆け下りてくるパターンです。
これはこれで、二人の若い情熱が伝わってきて好感が持てました。
同じ作品でも振り付けによってこうも違うのは、本当に面白いです。

次の二人の見せ場としては、第二幕第二場の教会での結婚式のシーンと第3幕第1場のジュリエットの寝室。
これもこれまでに観た同作品に比べるとあっさりしていて、初々しさの感じられる演出とダンスでした。
舞台道具としてベッドは一応あるけれど、二人が踊っていたのは、ほとんどがベッド上ではなく、その前面でした。
ノイマイヤーの振り付けではベッド上で組ず解れつだったし、夜明けを惜しむ
色気の度合いをこれまで観た舞台のうち、覚えている範囲で比較すると個人的には、エトワールガラ(パリ・オペラ座バレエ)>デンマークロイヤルバレエ>英国ロイヤルバレエ、といったところかな(笑)(それ以前に見たのは記憶が定かではないので比較対象外)
振り付けの違いもあるけれど、それよりもお国柄の違いもあるような気がします。

最後の第4場、キャピュレット家の墓室では、マクミラン版もやはりジュリエットが死ぬ場面で完。両家の和解シーンはありませんでした。
前にも書いたけれど個人的には最後に両家の当主が出てきて、心中した二人の前で和解を誓うシーンがある方が好きなんですが・・・。その点で一番好きなのは、2003年に観たマリインスキー・バレエのラヴロフスキー版か、さらにはるか昔に観たグリゴローヴィチ版のボリショイ・バレエかな。

今回のマクミラン版はこのシーンもあっさりしていて、感情も抑え気味、よく言えば綺麗にまとまっていました。ジュリエットの嘆き方の激しさでは圧倒的にノイマイヤー版のパリ・オペラ座が圧倒しているように思いました。まあ、好みの問題であって、どちらが勝っているということでもないと思います。

今回の場合、特にその前に「うたかたの恋」を観ていたから余計に「ロミオとジュリエット」があっさり風味に感じたのかもしれません。考えてみたら、うたかたの恋のエキセントリックな?カップルに比べて、こちらは10代前半の純粋な?少年少女。このぐらいのギャップがある演出でちょうど良いのかもしれません。

最後に今回のダンサーはジュリエット役のヌニュスがブエノスアイレス生まれ、ロミオ役のソアレスはリオ・デ・ジャネイロ生まれ、という南米カップルでした。
この二人の「うたかたの恋」もちょっと観てみたい気がしたし、逆に「うたかたの恋」でルドルフ皇太子を演じたエドワード・ワトソンのロミオも観てみたかったです。

「ロミオとジュリエット」は何度でも観たくなる大好きな作品。次はいつ生で観られるかわかりませんが、その機会を楽しみにしています。
とりあえず今月末はエトワール・ガラ!

余談ですが、NBSのホームページをみたら、来年はバイエルン歌劇場にフィレンツェ歌劇場が来日予定らしい・・・。春にイタオペ、秋にドイツオペラかぁ。あ~、行きたい!行きたいけど、きっと高いんだろうな~。頑張って稼がなくてはっ!
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by icewine5 | 2010-07-10 02:35 | 観劇・音楽鑑賞・博物館

英国ロイヤル・バレエ団「うたかたの恋」

楽しみにしていた英国ロイヤル・バレエ団2010年日本公演に行ってきました。
先日は「うたかたの恋」、今度の週末は「ロミオとジュリエット」です。

「うたかたの恋」はオーストリア帝国皇太子ルドルフが1889年にマイヤーリンクで愛人マリー・ヴェッツェラ男爵令嬢と情死するまでを描いた作品で観劇するのは初めてでした。ケネス・マクミランの振り付け、音楽はフランツ・リストということでずっと気になっていました。

うたかたの恋 全3幕 ケネス・マクミラン振付 [DVD]

エドワード・ワトソン / Opus Alte

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振り付け:ケネス・マクミラン
音楽:フランツ・リスト
編曲:ジョン・ランチベリー

指揮:バリー・ワーズワース
演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

ルドルフ皇太子:エドワード・ワトソン
男爵令嬢マリー・ヴェッツェラ:マーラ・ガレアッツィ
ステファニー王女:イオーナ・ルーツ
ラリッシュ伯爵夫人:サラ・ラム

「うたかたの恋」というかマイヤーリンク事件については、10数年前、最初にオマー・シャリフにはまった時に彼が出演している映画で知っている程度で、バレエについてはあまり予習をしていませんでした。
なので、観劇前は映画のイメージで、勝手にロミオとジュリエットと同系統のおとぎ話的な純愛悲恋がテーマかと思ったら、かなり実際のマイヤーリンク事件に沿った設定で描かれていて、キャラクター設定や心理描写もけっこう複雑。
色んな意味で重い、強烈に印象に残る作品でした。

踊りはとても迫力があって、恋愛のシーンの生々しさなど非常に強烈。見ていて圧倒されました。
私の超個人的な印象ですが、最近わりとよく観劇する機会のあったパリ・オペラ座のダンサーたちの軽やかでスマートな踊りに比べて、全体的にどっしりと迫力のある踊り方のように見受けられました。この作品のマクミランの振り付けによるところも大きいとは思うけれど。
最初はちょっと馴染めなかったのですが、観ているうちにじわじわと引き込まれていって、最後はもうダンスの迫力に圧倒されて固唾をのんで舞台に見入っちゃいました。

キャラクター設定で印象的だったのは、ルドルフ皇太子が相当エキセントリックに描かれていること。元々かなり変な人(笑)ですが、意に沿わぬ政略結婚や政治的ないざこざに巻き込まれて精神的に追い詰められて行動が破綻していく過程が分かりやすく表現されていました。
第一幕、二幕、三幕と後半になるにつれて、ルドルフの性格と行動が破滅的になっていくのは、ヴィスコンティの映画「ルートヴィヒ」を思い起こさせるものがありました。

考えてみたらルドルフもあのバイエルン王家の人たちと同じ血を引いているんですよね。お母さんのエリザベート皇后も堅苦しいウィーンの宮廷に適応できなくて放浪生活だったわけだし。ルドルフがエキセントリックで情緒不安定なのも当然といえば当然。

心中相手のマリー・ヴェッツェラも映画「うたかたの恋」でカトリーヌ・ドヌーヴが演じる初々しい男爵令嬢のイメージがあったので、バレエで描かれるマリーの積極性とサディスティックなぷっつんぶりには驚かされましたが、こっちの方が恐らく現実マリーに近い姿のように思えてきました。

ルドルフと初めて二人っきりになった時なんて、コートの下は黒いエロチックな下着一枚だし、部屋にあった拳銃を発砲しようとしたり、ルドルフにつきつけたりするんだから相当なものです。
プログラムの解説(長野由紀「バレエ『うたかたの恋』の魅力-劇的バレエの名手、マクミランの手腕」)では、
「机の上のどくろと拳銃に興味を示し、銃口をルドルフに向けてサディスティックとも見える喜びをあらわにするマリー」「彼女自身の野心的な性格に『死によって成就する永遠の愛』という危険な燃料が注ぎ込まれたことで、脅迫的な情熱へと形を変える」
と評されていて、なるほどと思いました。
マリーを演じたマーラ・ガレアッツィさんは遠目で見ると少女っぽくて、双眼鏡で見ると結構大人っぽい感じ。そのアンバランスな感じがマリーに合っているのかも。

反対にステファニー皇太子妃がバレエでは純粋無垢な王女様だったのは意外でした。
このステファニーとマリーが対照的なタイプの女性として描かれていて、第一幕と第三幕でそれぞれルドルフと踊るパ・ド・ドゥなどにも表れているのが面白かったです。

それ以外にもルドルフの女関係は色々あって、元愛人のラリッシュ伯爵夫人や馴染みの高級娼婦ミッツィ・カスパーなども登場するので、この作品はマイヤーリンク事件の謎や当時の政治的背景をある程度知っていないと、人間関係がちょっと分かりにくいです。
オペラならともかくバレエでこれだけ複雑な関係を表現してしまっても大丈夫なのは、多分、ヨーロッパの人ならマイヤーリンク事件は日本人が思っているよりも馴染みのある事件だからなのかも。
ま、複雑といっても結局はルドルフ皇太子とマリー・ヴェッツェラの破滅的な恋愛の話なんですけれどもw

ルドルフ役のエドワード・ワトソンは背がすらっと高くて脚も長くて格好いいんだけど、登場してからしばらくは、世紀末ウィーンのハプスブルグ家皇太子というよりも英国紳士っぽく見えてしまって、ちょっと馴染めなかったのですが、第一幕の後半、皇太子妃ステファニーとのパ・ド・ドゥあたりから彼のダンスに引き込まれていきました。
ジャンプの高さやステップの軽やかさはそれほどすごいとは思わなかったし、片足で立った時に時々微妙にバランスが崩れるように見える時もあったのですが(あくまでも素人の素朴な印象です・・)、そのかわりに、とにかく力強さと激しさが素晴らしくて、個人的には強く印象に残っています。
とにかくラブシーンと心身の痛みに耐えかねモルヒネを打ち、苦悩する場面のダンスが凄かった!

第一幕では皇太子妃ステファニーとの寝室のパ・ド・ドゥでは、ルドルフ皇太子の凶暴性が非常によく表されていました。新婚初夜の花嫁にむかっていきなり拳銃をさしむけて脅し、その後の激しい絡み。これってDVじゃないかというぐらい乱暴な交わりを踊りで表現するんだから見事の一言。
ラブシーンというよりも格闘しているといった方がぴったりくる感じ。

それまでエドワード・ワトソンのルドルフがいまひとつピンとこなったのが、ここでようやくイメージがぴったり合ってきました。
ここで流れた音楽がどこかで聴いたことがあると思ったら途中で思い出しました。リストのピアノ曲の中でもかなり好きな部類に入る「超絶技巧練習曲」の「雪あらし」でした。
その曲名通り、嵐のような迫力ある性愛描写でした。ロミジュリ的な甘いパ・ド・ドゥも好きだけど、こういうの結構好みかもw

リスト:超絶技巧練習曲

ボレット(ホルヘ) / ユニバーサル ミュージック クラシック

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そして、さらに強烈だったのが、第三幕、にマリー・ヴェッツェラと心中する直前のパ・ド・ドゥ。
ルドルフはモルヒネを打った状態でマリーとの激しい抱擁。組んず解れつの官能的なダンスはもう鳥肌ものでした。
音楽が途切れたときに聞こえる二人の激しい息遣いも生々しくてエロいのです(笑)。

ここで使われた曲がやはり同じく「超絶技巧練習曲」の「夕べの調べ」。超絶技巧練習曲の中では最も好きな曲なので、この場面の最初の出だしですぐにピンとくると同時に「そうきたか~!」と大いに納得でした。曲名からは程遠い激しくて尚且つロマンチックな曲。いつもこの曲を聴くと静かな夜の光景よりも夜のその種のシーンが似合いそうと思っていましたが、編曲者の人もやっぱりそういうイメージだったんですねw

麻薬を打って、マリーと愛を交わし、そのままの勢いでマリーを撃ち殺して自分も自殺・・・
壮絶な性愛のダンスの後の急展開に呆然としてしまいました。

マイヤーリンク事件についてはいまだに謎も多いようですが、このバレエ作品を観ていると、実際のルドルフ皇太子もこんな風に追い詰められていったのかなという気がしてきます。

19世紀末は日本の歴史も幕末から明治への過渡期でとっても面白いけど、ヨーロッパのこの時代も好きです。(その割にはあまり詳しくないけど・・)この時代に活躍した作曲家の音楽も好きだし、彼らと関わった王様や貴族達の話も面白い。

脇役ですが、エリザベートの愛人ミドルトン役の平野亮一さんという日本人ダンサーがちょっと気になりました。
無知なもので今まで全然知らなかったのですが、英国ロイヤルバレエには吉田都さん以外にも日本人の方が何人か所属していらっしゃったのですね。
この平野さん演じるミドルトンがすましたジゴロ風でなかなか格好良かったw
日本人によくある胴長で重心の低いタイプではなくて、すらっとして脚が長い日本人離れした体型にちょっと感動です。

今度の週末は同じく英国ロイヤル・バレエで本命「ロミオとジュリエット」です。こっちも期待できそうでとても楽しみ。昨年観たデンマーク・ロイヤル・バレエ団との演出の違いやダンサーの比較などもできそう。
来月はエトワール・ガラだし、この夏はバレエのお楽しみが目白押しです♪
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by icewine5 | 2010-06-26 03:07 | 観劇・音楽鑑賞・博物館

歌舞伎鑑賞教室 歌舞伎十八番の内 鳴神

国立劇場で開催中の歌舞伎鑑賞教室に行ってきました。値段も安いし、一度行ってみたいといつも思いつつ、なかなか予定がつかなかったのですが、今回初めて鑑賞することができました。

前半30分程度で歌舞伎のみかたについての解説があるし、後半で上演される演目もとっつきやすくて、時間も長すぎず、私のように年に数回しか観劇しない万年超初心者にはちょうど良かったです。
歌舞伎座だとかなりの長丁場で、しかも自分の場合、ほとんどの演目が初めて見るものばかりだから、結構疲れるのですよね・・・

それと、劇場に行くまで全然その認識がなかったのだけど、鑑賞教室というのは「教室」と名前がついていることからして、中学、高校生をメインターゲットにしたプログラムだったんですね。
最初、ホールで中高生の大群を見かけたときは「ゲッ、これって煩くて落ち着いて観劇できないんじゃ・・・」と危惧しましたが、上演直後にちょっとざわついたものの、後は静かに鑑賞していたので、ほとんど気になりませんでした。むしろ、ご年配の方々のひそひそ話と食べ物を入れたポリ袋の音の方が気になったぐらい(苦笑)。

前半の歌舞伎のみかたでは、澤村宗之助さんがとても分かりやすく、後半で上演される鳴神に関連する基本事項について解説してくれました。私の知らないことがほとんどだったので、「なるほど!そうだったのか~」と1つ1つ納得することができました。

途中で、観劇している女子中学生2人が舞台に上がり、彼女達に色々と体験をさせつつ、解説してくださったのが、なかなか面白くて良かったです。
太鼓の音で滝や雨を表現するんだけど、その太鼓を打たせてもらったり、雷の音を出す道具を実際に使わせてもらったりなど。
見得を切る動作の真似はさすがにこのお年頃の女の子にとっては恥ずかしかったのか、ちょっと控えめでした。
見得がなぜ歌舞伎に必要だったかも初めてその意図を知りました。

ツケの打ち方によって男性の歩き方と女性の歩き方を区別しているのも面白かったし、女形がどうやって女らしさを表現しているのかも具体的にやってみせてくれて、目からうろこでした。
膝をくっつけて、足先を内側に向けて立ち、背中は肩甲骨をぐっと寄せて肩を落とすんだそう。確かに着物を着た人がそうすると急に女性っぽく見えるんだから不思議です。
でも、この歩き方って、洋服でやったらかなり変だろうな(笑)。
内股でチョコチョコした歩き方をする日本女性をよく見かけるのも、長年の着物文化と密接に結びついているんだなと思いました。

舞台にあがった女子中学生二人は内掛けを羽織らせてもらい、女形さんにこの歩き方を伝授してもらい、実演していました。
セーラー服姿の普通の女の子が内掛けを羽織っただけで、急に可愛らしくなって、セーラー服よりもしっくりして見えたのには正直、びっくり。やはり日本人の顔や骨格、雰囲気には着物が似合うんだと実感しました。

彼女達は立ち廻りの実演も舞台の上で見学。いいな~、この二人は普通では滅多にできない貴重な経験をできて、きっと良い記念になったことだろうと思います。

イヤホンガイドもいいけど、普段の歌舞伎も最初にこういうのがあると初心者にはとっつきやすいのに・・・

後半の鳴神はこの解説で、舞台背景やそれぞれの事柄の意図するところを教えてもらっていたおかげで、いつもよりもすんなりお芝居に入っていくことができました。
話も単純で分かりやすくて、確かにこれが初心者にもとっつきやすい演目としてプログラムされている事にも納得です。

ただ、これって中高生が鑑賞するには、風紀上どうなの?と思うところもあるけれど(笑)。厳格なお嬢さま学校とかだったらこの演目はヤバイんじゃないのかな?と観ながら思ったりしました。
ま、大人が観る分には、お馬鹿なお色気シーンは楽しめましたけどw
夜12時頃にやってるような、ちょっとHでコミカルなテレビドラマの系統ですかね(笑)

漫才あり、立ち廻りあり、ほとんどコントなお色気シーンといい、見所が沢山あって、途中で飽きることなく楽しく鑑賞できました。

しっかし、この鳴神上人のお馬鹿っぷりとストーリーの単純さには笑っちゃいます。これで1つの作品として成り立ってしまうところがまた歌舞伎の面白さなんだなあとも思いました。
怒り狂って、自分を騙した姫を追いかけていった鳴神上人はその後どうなったのでしょうか。気になります・・・

今回は運よく行儀の良い中高生達だったからかもしれないですが、静かに観劇できるのであれば、歌舞伎鑑賞教室は今後も機会があれば行ってみたいです。
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by icewine5 | 2010-06-15 00:24 | 観劇・音楽鑑賞・博物館

NHK交響楽団 第1676回定期公演プログラムA

先月のラフマニノフに続き今月もN響定期公演に行ってきました。

ドヴォルザーク / チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
ドヴォルザーク / 交響曲 第8番 ト長調 作品88
指揮|ウラディーミル・アシュケナージ
チェロデーヴィッド・コーエン
コンサートマスター |堀正文
お目当ては指揮のアシュケナージとドヴォルザークのチェロ協奏曲。

大学生になって家庭教師のアルバイトで初めて自分で稼いだお金で買ったCDがアシュケナージの演奏するショパンのバラード/スケルツォ集だったので、アシュケナージには思い入れがあります。
指揮するアシュケナージを生で聞くのは学生の時以来10数年ぶり。
彼のピアノ演奏はとても好きだけど、若い頃の演奏と年配になってからの演奏で結構違いがあって、たまに自分の好みじゃないときもあります。そんなアシュケナージの指揮(確かグリーグのピアノ協奏曲だったはず)を生で聴いてもしかしてピアノよりも指揮の方が私の好みかも?と思った記憶があります。

70代になって、後姿に年齢を感じましたがそれでもまだまだ元気です。演奏後のカーテンコールでは舞台から楽屋に戻るときも小走りだし、若いなあと思いました。
もちろん、肝心の演奏も安定感があって個人的にはとても良かったと思います。

【ドヴォルザーク/チェロ協奏曲 ロ短調 作品104】
チェロ協奏曲の中ではエルガーのチェロ協奏曲に次いで好きです。ただ、聴かせどころの多さでは、エルガーより勝っているかも。正直、エルガーの方は第1楽章の前半部分と第4楽章のフィナーレ私にとっては突出していてそれが全てなのですが、ドヴォルザークの方は各楽章全てのポイントが高いので通しで聴くならこちらもいいです。

家でよく聞くのはミロシュ・サードロ演奏、ノイマン指揮のチェコフィルのもの。

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲集 [Import] (Dvorak - Cello Concertos 1 & 2)

ミロシュ・サードロ(Vc)/ノイマン(指)チェコ・フィル/ / SUPRAPHON

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チェリストはデーヴィッド・コーエン。今年30歳だそうで、メニューインやロストロポーヴィチが目をかけていた才能の持ち主だそうです。これからどんどん活躍する若手なのでしょうね。
演奏も才走った感じやウェットになり過ぎることなく、じっくり弾き込んでいく感じで好感を持ちました。ルックスもわりと良かったのもいいです(これ重要 笑)。
私個人的には、ヴァイオリニストやピアニストの演奏を聴く場合ルックスよりも演奏重視なんだけど、なぜかチェリストと指揮者についてはルックスが良いと、それだけで気分が盛り上がるのです^^;(ミーハーだなあ・・・)

指揮するアシュケナージも若いコーエンをうまく引き立てていたように思います。チェロ協奏曲だからオーケストラのボリュームはピアノ協奏曲に比べて抑え目だけど、メリハリと緩急があって素敵な演奏でした。

カーテンコールでは自分だけでなくチェロにもお辞儀させたりするお茶目な若者の側面も見せてくれて、観客の笑いをとっていました。
アンコール曲は、唱歌「夏の思い出」。
演奏前に曲名は言わず一言「私の大好きな歌」と言ったので、なんだろうと思ったら、「夏が来~れば思い出す~♪」という日本人には馴染み深い旋律が流れてきました。
なかなかサービス精神旺盛な若者のようで、これからも注目していきたいです。

【ドヴォルザーク/交響曲 第8番 ト長調 作品88】
ドヴォルザークの交響曲では月並みだけど第9番「新世界」ぐらいしかまともに聴いたことがなくて、第8番は初めてでした。
改めて思ったのはドヴォルザークの交響曲はとても聴きやすくてとっつきやすいということ。どの楽章も良かったですが第3楽章のワルツは憂いを帯びた旋律がたまりません。

それとトランペットやトロンボーンの音色がこんなに美しいものだったのか、ということ。
この第8番は管楽器の音色の美しさが非常によくあらわれた作品だと思いました。
素人だし、管楽器にはあまり興味がなかったので、詳しいことはよく分からないですが、N響の管楽器奏者はとてもレベルが高いなあと先月、今月と続けて聴いて思いました。音が非常に安定していて、よく通る音質でしかもキンキンしていない滑らかな音色。

N響コンサートは学生の頃に行って以来、すっかり離れていましたが値段も手頃だし、これからも時々聴きに行きたいです。

以下、ちょっと愚痴。
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by icewine5 | 2010-06-07 15:46 | 観劇・音楽鑑賞・博物館

NHK交響楽団 第1673回定期公演プログラムA

先日の日曜日、本当に久しぶりにNHK交響楽団の定期公演に行ってきました。(公式HP) 
プログラムは前半、後半ともにラフマニノフ!

ラフマニノフ / パガニーニの主題による狂詩曲 作品43
ラフマニノフ / 交響曲 第2番 ホ短調 作品27
指揮|尾高忠明
ピアノ|小山実稚恵
ゲスト・コンサートマスター ヤーノシュ・セルメチ


これでもかっていうほどディープでロマンチックなラフマニノフの世界にどっぷり浸ったひと時でした。
ラフマニノフは先日聞いたリストとはまた違うゴージャスな音楽が耳に心地よいです。
うまく表現できないですが、自分の場合、リストのきらびやかな音楽を聴くと、ストレス発散でスカッとするのに対して、ラフマニノフは、熱い音のシャワーを頭からどっぷりかぶって、体にしみついたモヤモヤをざっと洗い流すような感覚です。
それと、このコテコテのロマンチぶりが、ロシアロマン派らしくて良いのです♪


【パガニーニの主題による狂詩曲 作品43】

ラフマニノフのピアノ協奏曲系はどれも大好きで、このパガニーニの主題による狂詩曲ももちろん好き。
月並みですが、特に第18変奏はこの部分を聴くだけのためにお金を払ってもいいと思うぐらいです。
他の部分は本元のパガニーニのヴァイオリン曲のイメージが強いけれど、この部分はまさにラフマニノフ!
この18変奏を聴くと条件反射のように目の奥が熱くなって、込み上げてくるものがあるんですよね。

私がいつも聞いているのはアシュケナージ演奏、オランダのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のもの。

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番

アシュケナージ(ヴラディーミル) / ユニバーサル ミュージック クラシック



こちらはミハイル・プレトニョフの演奏(ベルリンフィル、アバド指揮)をYou Tubeから引用。
pletnev - rachmaninov, rhapsody on a theme of paganini: iii

何度聴いても聞き惚れちゃいます。

さて、小山実稚恵さんの演奏はCDでは色々聴いてお馴染みでしたが、生で聴くのは初めてでした。
あくまでも私の個人的な感じ方ですが、彼女の演奏は優等生的な王道を行く弾き方、正確なタッチで極端にぶれることが無いので、安心して聴く事ができます。

小山実稚恵 プレイズ・ラフマニノフ

小山実稚恵 / ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル

このパガニーニも隙が無くて、ちょっと機械が弾いているような感じがしなくもないけれど、安定感があってとても聴きやすく、程よい甘さもある素敵な演奏でした。
小山さんの出す音って非常にクリアでしっかりした音のような気がします。手首の動かし方がとてもしなやかでまるで鞭のように見えるのに感心しました。

後半です。
【交響曲第2番 ホ短調 作品27】
約1時間の大曲です。壮大な歴史大河モノやスペクタクル映画を観るような感じ。
これが本当に素晴らしかったです!
指揮者の尾高忠明さんはラフマニノフを得意とされているのですね。

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集(2枚組)

Brilliant Classics


ラフマニノフやチャイコフスキーはあまりベタになりすぎると土臭い感じがするけれど、尾高さんの指揮するラフマニノフは華やかさの中に凛とした気品が感じられてとても格調高い演奏に思いました。

尾高さんは同じくロシアのグラズノフの交響曲全集を東洋人でただ一人収録されたそうで、こちらも聴いてみたくなりました。

グラズノフ:交響曲全集

BIS



やはりラフマニノフは自宅のコンポで隣近所を気にして小音量で聴くよりも、コンサートホールで大音量を浴びるように聴くべきだと改めて実感しました。
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by icewine5 | 2010-05-12 00:40 | 観劇・音楽鑑賞・博物館

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2010「ショパンの宇宙」公演番号344、315

「熱狂の日」音楽祭最終日は2つのコンサートを鑑賞し、無料の講演会を1つ聴講しました。

最初にNO344(15:15~16:00)
【曲目】
リスト:葬送(「詩的で宗教的な調べ」より)
リスト:十字架への道
【出演者】
ブリジット・エンゲラー [ピアノ]
ローザンヌ声楽アンサンブル
ジャン=クロード・ファゼル [指揮]

f0059671_2274284.jpg実は当初、この公演は申し込んでいなかったのですが、前日にまだ購入できるチケットをチェックしたら空席があったので急遽購入しました。
曲目がリストだけなので売れ残っていたのかもしれないですが、曲目も演奏もとても気に入りました。行ってよかった!

リストのピアノ曲もショパンに次いで私は好き。
ショパンの作品に比べて、派手でパワフル、甘い部分はコテコテに甘美に燃え上がって、それでいて静かな部分は氷のように冷たい、そんな激しい喜怒哀楽を真正面から表したようなリストの作風がとてもいいのです。

パリの社交界でブイブイ言わせていた(笑)頃のイケイケドンドンなものから僧籍に入った晩年の作品もどれも味わい深くて、時々無性に聴きたくなります。
ストレスがたまっているときやエネルギーが欲しい時に聞くとすっきりします。最近は全く自分では弾いていないけど、演奏するとスカッとして気持ちいい♪

「詩的で宗教的な調べ」も図書館で借りたか、もしかしたらCDを持っているかもしれなくて、聞いたことはあるけれど、ほとんどスルーしていました。

リスト:ピアノ曲全集 3 「詩的で宗教的な調べ(第1番 - 第6番)」/「死者たち」/他

Naxos

全10曲のうち、「愛の頌歌」や「孤独な中の神の祝福」はなんとなく馴染みがあったのですが、「葬送」も結構知られていたんですね。
今回は、ちゃんと聞いてみて、こんな良い曲をスルーしていたことが惜しまれた。静と動、甘美さと荘厳を盛り込んだいかにもリストらしいカッコいい曲です。
この「葬送」はショパンへの追悼曲という説もあるそうで、そう思って聴くとよけいにジワッときます。

前半の「死の舞踏」っぽい荘厳で力強い曲風から中間部は叙情的で甘美な「3つの演奏会用練習曲」の「悲しみ」に少し似た感じ。
後半で最初の主題を少し変えた形で再現されるのがまたドラマチックでした。

ブリジット・エンゲラーは貫禄のあるオバサマで、演奏もその姿と同様に力強くどっしりとしていて、リストの作風とも合っていました。
リスト弾きとしてすっかり有名になったフジコ・ヘミングの演奏が私はあまり好きではありません。甘い方に偏りすぎて、鍵盤の上で音楽が前のめりに転ぶような演奏がどうも苦手なのです。ご本人のキャラクターは魅力的なのですが。

昔はリストに限らずショパンや他の作曲家の作品でもどちらかといえば装飾過多でテンポ良く軽やかに滑るような演奏が好きだったのが、最近はこの日のエンゲラーや前日聞いたポゴレリッチのようにじっくり音を味わいつつ、ややスローテンポで重めな演奏が好み。

ブリジッド・エンゲラーさんの演奏も自分が若い頃なら多分好きではない部類だったと思うけど、今の自分はこういう素朴な演奏がしっくりきます。やっぱりそれだけ歳をとったということか。

f0059671_2244362.jpg余談ですが、会場の巨大垂れ幕には、手が6本あるショパンのイラストがありますが、これってショパンよりもリストのイメージの方がぴったりだと思うのですが・・・


2番目の作品は「十字架への道」。

F.リスト(1811-1886);十字架への道 [Import from France] (Liszt: Via Crucis)

Naive

これは全く初めて聴く曲でした。
「合唱とオルガン(あるいはピアノ)によって、教会の壁画に表現されるキリストの十字架までの道のりの14の場面を描いた。ソロと合唱の歌う菓子はいずれも短く、驚くほどシンプルな世界。」

ローザンヌ声楽アンサンブルは2005年の来日公演時にミシェル・コルボ指揮の「マタイ受難曲」を生で聴いたことがあります。

バッハ:マタイ受難曲【SHM-CD仕様】

コルボ(ミシェル) / ワーナーミュージック・ジャパン

スコア:

1961年に「合唱の神様」コルボが設立したアンサンブルで、「メンバーに若手歌手も多い」と解説に書かれている通り、特に女性団員は若い人が多くて、しかもスタイルが良い人が多いのには驚きました。
オペラ歌手はでっぷりした人が多いけど、こちらの団員はみんなほっそりとしているのです。
やっぱり宗教曲を聴く場合、私みたいなミーハーな人間には見た目も大事で、恰幅の良いゴージャスな人よりも、ほっそりと清楚なイメージの人が歌う方が宗教的なありがたみが増すような気がします。

厳粛で崇高なこの作品も身が引き締まるようで大変良かったです。キリスト教徒ではないけれど、こういう曲はできればヨーロッパの古い教会で聞きたいものです。


NO315(19:30~20:15)
【曲目】
ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 op.11
【出演者】
ボリス・ベレゾフスキー [ピアノ]
ウラル・フィルハーモニー管弦楽団
ドミトリー・リス [指揮]

前日のイーヴォ・ポゴレリッチが演奏するスローテンポで自由気ままな第2番が強烈すぎて、ベレゾフスキーの弾く第1番が至ってノーマルに聴こえましたw

耳に馴染み易い演奏でしたが、前日の影響か全体的に速めのテンポでどちらかといえば技巧に走るような、流れるような感じなので、数日経つとあまり印象に残っていなくて、個人的にはもう少しメリハリがあった方が良いように思いました。

アンコール曲はABRAM Chasins 作のRush Monk in H.Kという曲でした。名前も曲も初耳です。かなりテンポの速い曲。できればショパン作品を弾いて欲しかったです。


コンサート以外ではショパン研究家の小坂裕子氏の「ショパンが愛したサンドの魅力」に行きました。
「歌曲でたどるショパンの生涯」「19世紀パリ描写」に続く3日間のシリーズ講演の3回目だったようで、45分の短い時間の中でジョルジュ・サンドの生い立ちや人となりを中心に早足で解説してくださいました。

サンドといえば男装の麗人のイメージがありますが、以前、サンドと詩人ミュッセの恋愛を描いた映画「年下のひと」(2000年公開)を見て、彼女のイメージが変わりました。

年下のひと 特別版 [DVD]

パイオニアLDC

この人は本当に女性らしい人なんですよね。
講演で小坂氏が話されていたように文学的な才能と教養に恵まれているだけでなく、家庭的な事や人をおもてなしする事にも長けた人で間違いなく当時のスーパーウーマンだと思います。

すごいのは彼女の恋愛遍歴。ショパンに出会う前で有名なのは映画にもなった詩人ミュッセとの激しい恋愛。ミュッセと喧嘩したかと思えば医師パッジェロやシャルル・ディディエと恋愛したりと、世の中にはこういう男が途切れることのないタイプの女性っているんですよね(笑)。
しかも付き合うタイプがみんな才能ある知的レベルの高い男性ばかりというのもスゴイ。
サンドにショパンを紹介したリストとも噂があったんでしたっけ?
映画「年下のひと」で、確かミュッセがサンドとリストの関係に嫉妬する場面があったような気がします。

講演では、サンドの所持品やノアーンの別荘の紹介などのスライドを交えて、彼女がどんな人だったのか、彼女と息子や娘との関係とショパンとのかかわりなど、興味深い話がいろいろ聴けました。
ただ、お話そのものは面白かったのですが、この方の話し方は途中で話題が派生してまた本筋に戻るタイプなのでちょっと聴きにくかったです。
短い時間で言いたいことが沢山あるのは分かるのですが、もう少しテーマを整理して話してくれるといいかと思いました。

f0059671_225720.jpgジョルジュ・サンドつながりですが、ショパンカフェでは特別メニューとして「サンド家に伝わるメニューを帝国ホテル風にアレンジした料理」が2種類用意されていました。
フランドル風ビーフシチューと若鶏のフリカッセクリーム煮。


f0059671_2252184.jpg迷った結果、若鶏の方を試してみました。
わりとよくある家庭的な味。このボリュームで800円はちょっと割高だけど、こういう場所だから仕方ないです。


f0059671_2253686.jpg最後にクリアファイル以外にもう一つショパングッズを購入しました。
2010年のショパンマグカップ。デザインしたのはイジー・ヴォトルバというチェコの人で2005年より毎年「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」のイメージ・イラストを担当しているそうです。
こういう大きいマグカップが欲しかったのでちょうど良かったです。

2日間、ショパンを堪能できて満足でした。
さて、来年のテーマは一体誰なのでしょう?もう決まってるのかな。
2011年に節目を迎える人というと、リスト(生誕200年)、マーラー(没後100年)あたりでしょうか。
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by icewine5 | 2010-05-08 22:12 | 観劇・音楽鑑賞・博物館

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2010「ショパンの宇宙」公演番号213

f0059671_310520.jpg以前のエントリーで少し触れた「熱狂の日」音楽祭2010「ショパンの宇宙」(公式HP)に行ってきました。
今年はショパン生誕200年ということでとても楽しみにしていました。


f0059671_3102139.jpg会場の東京国際フォーラムは大賑わい。
有料コンサート以外に無料で様々なイベントやNHKのラジオ生中継などもあり、予約していたコンサートだけで帰るつもりが、チケット半券で入れる展示ホールをウロウロしているうちにあっという間に時間が経ってしまいました。
それにしてもこんなに多くのショパン愛好家がいたとは驚きです。


f0059671_3111570.jpgこの日、予約していたコンサートはNO213です。

【曲目】
エルスネル:交響曲 ハ長調 op.11
ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 op.21
【出演者】
イーヴォ・ポゴレリッチ [ピアノ]
シンフォニア・ヴァルソヴィア
ゲオルグ・チチナゼ [指揮]

お目当てはショパンピアノ協奏曲第2番でしたが、エルスネルの交響曲も美しい上品な旋律で親しみやすい作品でした。

ピアニストのイーヴォ・ポゴレリッチは、名前を聞いたことがあるけれど、演奏をちゃんと聴くのは初めてです。
ピアノ協奏曲第2番に関しては、普段よく聞いている小山実稚恵さんの演奏が優等生のお手本的な弾き方とするなら、ポゴレリッチの演奏は超個性的でショパンの演奏を自分流に独自の解釈で表現していると言えるのではないでしょうか。
通常イメージするショパンの演奏からすると予想外の力強い演奏で特に左手の使い方がダイナミックだったことが最も印象に残っています。

また、ピアノを弾く姿勢もあまり体をくねらせたり恍惚の表情を浮かべたりすることなく、背筋をピンと伸ばして謹厳な表情でピアノに対峙していたように見受けました。
こんなところから、この人はピアノ弾きの職人なんだなあと感じました。

スクリーンに映し出された映像を見るとちょっと仏像っぽくて、もしも音が無くて映像だけ見たらバッハかベートーヴェンを弾いているように見えるかもしれません。

配布されたプログラムの出演者解説には1980年のショパン・コンクールで本選を前に彼が落選したことによって激しい論争が巻き起こったと書かれていましたが、それも納得です。
オーソドックスでステレオタイプなショパン弾きとはちょっと違う解釈と弾き方が新鮮でした。
ショパンの演奏というよりもリストやラフマニノフを髣髴とさせる男性的な演奏で、好き嫌いの分かれるところだと思いますが、こういう重厚なショパンも私は結構好きです。

第一楽章は出だしのオーケストラだけの部分は比較的早いテンポで聴きなれたものでしたが、ピアノ部分の演奏が始まると予想していたものとのギャップに良い意味で期待を裏切られました。
テンポはゆっくりで、じっくりと一つ一つの音をポゴレリッチが味わいながら演奏する感じ。
全体としてはピアノ部分が終ったところでオーケストラが早いテンポになるのでメリハリがあってバランスが取れているように思いました。

第二楽章はさらに個性的。
ポゴレリッチはほとんど自分の世界に入り込んでいる感じで、元々ゆったりした旋律の曲をさらにじっくり音を確かめつつ弾いており、「えっ、この部分をこんなに長くのばすの!?」とか、あまり普通は強調されない音が強調されたり、という意外性が最初はもの珍しかったものの、聞いているうちに正直なところ途中で集中力が少し途切れました。

ですが、アンコールでこの楽章をもう一度演奏してくれたときに少し印象が変わりました。
この楽章も一楽章と同様に繊細で滑らかな典型的なショパンの演奏とは違って、非常に力強い。その迫力を2度目にして理解することができました。こんな力強い第二楽章を聞くのは初めてでした。噛めば噛むほど味が出てくる玄米みたいな演奏。できればもう数回聞いてみると感想が変わってくるかもしれません。

第三楽章は前の二つの楽章に比べるとテンポの速い演奏でしたが、繊細さや軽やかさよりも重厚感が前に出た演奏であった点は全体を通して一貫しているように思いました。

ステレオタイプなショパンの演奏とはちょっと違うけれど、作品を完全に自分のものにして「ポゴレリッチのショパン」として表現できるのは、やっぱりポーランド出身のピアニストならではという気がしました。
オーソドックスな演奏を押さえた上で、こういうピアニストの解釈したショパンを楽しむのもいいなと思います。

ここからミーハーな余談です。
指揮者のゲオルグ・チチナゼの見た目がとっても素敵でした♪
いまどきの「イケメン」ではなく、昔の映画俳優っぽい「美男子」という言葉が似合うタイプ。
髪の毛が黒いしポーランド人とはちょっと違うだろうと思ったら、グルジア出身の人でした。
演奏中、客席からは後姿しか見えないけれど、今回は大会場だったので左右のスクリーンで指揮者を正面から移した映像も時々あってそのたびに見蕩れていました(笑)。

美男といえば、指揮者だけでなくオーケストラメンバーも美男率が高いように個人的には思いました。特にフルートの奏者が王子様っぽい美男でした。
シンフォニア・ヴァルソヴィアというポーランド室内響を拡大して1984年にスタートしたオーケストラで、メニューインのもとで躍進を遂げたそうです。
演奏を聴きつつ双眼鏡でガン見して思ったのですが、やっぱりポーランド人は美男美女ぞろい。特に男性は憂いを帯びた美男が多いです。

前にも書いたことがあるけれど、昔ワルシャワに1週間ほど滞在したときもショパン音楽アカデミー(ワルシャワ音楽院)の学生や街ですれ違う人たちがみんな美形なのに一緒にいた妹ともども驚いた記憶があります。しかも服装のセンスもとってもお洒落。
その当時、南ドイツの田舎の環境先進都市に住んでいた妹は、ワルシャワは空気が悪いとぼやきつつも「スカートをはいた女がいる!」と変なところで感動していました。
その時はその後、ワルシャワから電車でベルリンに向かいましたが、繊細な美男美女のいるワルシャワからベルリン駅に到着すると男女ともジャンパーにジーンズでごっつい顔したダサい人たちばかりで(笑)、あまりのギャップにちょっとしたカルチャーショックでした。でも、そんなドイツが好きなんですけどねw

f0059671_383673.jpg最後に今日買ったショパングッズ。
公式ガイドブックの他にクリアファイルを2種購入しました。
個人的には現代風!?ショパンとサンドが描かれた方が好き。今の言葉でいえば典型的な草食男子と肉食女子のカップルですねw

というわけで明日も行きます!
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by icewine5 | 2010-05-04 03:21 | 観劇・音楽鑑賞・博物館

歌舞伎座

f0059671_282762.jpg歌舞伎座閉場式のあった先週4月30日、銀座に所用で出かけたついでに外から見納めしてきました。
年に数回しか観劇しない程度なので、とうてい歌舞伎ファンとは言えないけれど、建て替えとなると写真を撮っておかねば!というミーハーな野次馬根性丸出しで撮影してきました。


f0059671_293985.jpg行ってみたらやっぱり私と同じような人が沢山いるもので、既に路上は撮影をする人で溢れかえっており、警察官が交通整理をしていました。


f0059671_295014.jpg大して思い入れの無い私でもこれで見納めだと思うと少し寂しい気になるのですから、これまで通いつめた歌舞伎ファンの方々は本当に名残惜しいことでしょうね。

新劇場がオープンしたらまたぜひ観劇したいです。
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by icewine5 | 2010-05-04 02:11 | 観劇・音楽鑑賞・博物館

パリ・オペラ座バレエ団 日本公演 シンデレラ

ずっと楽しみにしていたパリ・オペラ座バレエ団日本公演「シンデレラ」を観てきました!
美しいダンサーたちの演技にうっとり。殺伐とした毎日から一瞬逃避することができ、至福のひとときでした。

「シンデレラ」(全3幕)
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
振付:ルドルフ・ヌレエフ
装置:ペトリカ・イオネスコ
衣裳:森英恵
照明:グイード・レヴィ
1986年 パリ・オペラ座初演

◆主な配役◆
シンデレラ:マリ=アニエス・ジロー
映画スター:カール・パケット
二人の義姉:メラニー・ユレル、ステファニー・ロンベール
継母:ジョゼ・マルティネス
ダンス教師:マチアス・エイマン
プロデューサー:ヴァンサン・シャイエ
父:エリック・モナン

演奏:東京ニューシティ管弦楽団
指揮:コーエン・ケッセル

パリ・オペラ座バレエ「シンデレラ」(全3幕) [DVD]

パリ・オペラ座バレエ / コロムビアミュージックエンタテインメント


ダンサーはもちろんみんな素敵♪たっぷり目の保養ができました。
大柄なジローのシンデレラも継母たちにいじめられている時は可憐な少女、女優としての登場シーンでは大人っぽく変身していて良かったです。
それに映画スター役のカール・パケットがまさに王子様っぽくていい感じ。手足の長さに感動です。
今回、バンジャマン・ペッシュが怪我で休演になったのは残念でしたが、マチアス・エイマンのダンス教師も敏捷な感じで役にぴったりでした。

バンジャマン・ペッシュは色気があって個人的にはとても好きなので、彼の出演も楽しみにしていたのですが怪我はダンサーにつきものだから仕方ない。次のチャンスを待ちます。
こうなったら行かないつもりにしていた今年のエトワール・ガラのチケットをやっぱり取ろうかな・・・
DMの小さい写真ではなくて、大きなチラシでばっちりポーズを決めたエトワール達の姿を見ると無性に観たくなってきました。

ヌレエフ版シンデレラの舞台設定は1930年代ハリウッド。
王子様のかわりに映画スター、シンデレラに魔法をかける仙女はプロデューサーということになっています。
舞台がかわっても基本的な人物構成や大枠のストーリーは原作通りなので予習していなくても充分にわかりました。

要所要所で当時の映画作品や映画業界の人たちのパロディもあったりするので、30年代の映画に詳しい人なら、すぐにピンとくるのでしょう。私は残念ながらこの当時の映画はあまりよく知らなくて、シンデレラがチャップリンの真似をしたところやキングコングぐらいしか分かりませんでしたが、後ほどプログラムを見ると他にも様々な作品が舞台上で再現されていたようです。

さらにプログラムにはプロコフィエフのオリジナル版とヌレエフ版の場面ごとの細かい対応表が掲載されていたので、見比べてみるのも面白かったです。

舞台装置もハリウッドっぽい雰囲気があって楽しめました。
1幕後半のファッションショーのシーンではピンナップ・ガールの巨大な看板が3枚。
もちろん、原作のアイテムもしっかり取り入れられていて、巨大なかぼちゃが登場したと思ったら、それが形をかえてかっこいいオープンカーになるのも面白い。
2幕の撮影現場ではまさかバレエで巨大キングコングもどきを観ることになるとは思ってもみませんでした(笑)

森英恵の衣装も素敵でした。
シンデレラが第2幕の撮影現場に現れたシンデレラの服装もバレエの基本的な衣装路線を押さえつつ、羽織ったジャケットが1930年代風を表現していたのはさすがでした。

小物も凝っていて、シンデレラのガラスの靴がとてもキラキラしていて美しかったのが印象的です。
見ていて欲しくなりました。
ガラスの靴をはいて登場したシーンでは、普通のトゥーシューズではなくて踊れるのかと思ったら途中で着替えていました。舞台上で衣装替えするシーンがなんどかありましたが、舞台のつなぎがうまいなと思います。舞台中央ではちゃんと別の登場人物たちのダンスで話が流れていて、その横でメイド役のダンサーたちがシンデレラの着替えを手伝うのだけど、それが案外違和感もなく自然に舞台に溶け込んでいるんです。

キャラクター設定に関しては、シンデレラをいじめる継母と連れ子の姉二人がとても滑稽で作品の中でのピエロ役的な存在でとても目立っていました。本来のおとぎ話の継母たちとは大分イメージが違います。

シンデレラの二人の義姉は、登場人物の中でもひときわ目立つショッキングピンクとブルーの衣装を着ていてどことなく幼稚っぽい。がさつで品性の無い子どもくさい演技に二人の義姉の性格がよく表れていました。
手足のパタパタした折り曲げ方や幼稚臭い動きから日本の若い女の子でたまにみかけるぶりっ子的で幼稚な仕草をデフォルメした要素にお笑い芸人的な要素を足して2で割ったような感じといったところでしょうか。
あっ、もちろんダンサー本人がということではなく、そういう風に見える演技をしているということです。こういう表現は優雅に踊るよりも難しかったりするのではないかと素人ながらに思うので、逆にこの二人のダンスは見ていてすごいと思いました。

継母のキャラクターも笑えます。
娘二人をなんとか映画女優に仕立てようと必死なんだけど、その方向性がどうにもずれている。
第3幕で映画スターがガラスの靴を持って家にやってきたとき、娘達だけでなく自分までも試してみようと映画スターのところに飛んでいくのには客席からもどっと笑いがおきていました。
男性ダンサーが演じているというのも納得です。

彼女達のキャラクター設定とその存在によって、逆に本来の継母による児童虐待の陰惨さが薄れて、舞台が楽しい雰囲気になっていたように思います。

笑いといえば、ハプニングだったのか、もともとそういう設定だったのか。
第3幕で義姉達とシンデレラが3個のオレンジの取り合いをしているシーンで義姉の投げたオレンジ(実際はボールみたいなもの)がオーケストラピットに落ちてしまいました。
シンデレラが舞台に腹ばいになって演奏中のオケの団員に「取って。」とお願いしたんですが、その人が拾って彼女に渡そうとしたところで、うまく渡せずまた落ちてしまって、別の団員が拾ってシンデレラに渡していました。
その様子が可笑しくて客席からは笑い声。
舞台上はちょうど義姉達の踊りの場面だったのですが、多分お客さんの視点はこのオレンジのボールに集中していたと思います。
恐らく想定外のハプニングだったんだろうと思いますが、もしかして元々の演出だったのかな?2回見れば分かるんだけど。

マリ=アニエス・ジロー演じる主役のシンデレラですごいと思ったのは彼女が女優モードで登場するシーンでは華やかでとても大きく大人びて見えるのに、みすぼらしい格好で継母達にいじめられている時は小柄に見えたこと。
服装や一緒に踊る相手との対比もあるし、舞台から離れているからというのもありますが、やはり彼女の踊り方によるところが大きいと思うのです。

シンデレラの踊りそのものは技を披露するというよりも優雅で大人しめな印象でした。
しっとりとした踊りが印象的。比較的大柄なダンサーなので、こういう踊りがしっくりくるのかもしれません。

第3幕で無事、映画スターと再会を果たし、女優への道を進むところでクライマックスを迎えるわけですが、その場面の二人の踊りもしっとりしていて良かったです。

ただ、ひとつ残念なことがありました。舞台下手から風を受けて白くて細長い布がたなびく演出がありましたが、私の耳のせいでなければ、風を送る装置の音なのか?モーター音のようなものが音楽と混じってかなり目立っていたのが残念でした。
最初、太鼓の音なのかと思ったけど多分違うと思います。

ま、そんな細かなところは目を瞑るとして、全体としては本当に楽しくて美しくて素敵な公演でした。
オーソドックスな演出のシンデレラも観てみたいものです。

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by icewine5 | 2010-03-15 00:02 | 観劇・音楽鑑賞・博物館

染模様恩愛御書 細川の血達磨

もう1週間経ってしまいましたが、先週末、久々に歌舞伎を観にいってきました。
通し狂言染模恩愛御書。前に観ているし、もう一度観るほどのこともないかと思いつつ、宅配生協に割引チケットが出ていたのを申し込んだら、忘れた頃に届いていたので行ってみることにしました。うっかり他の予定を入れてなくて良かった~。

以下、多少ネタばれありの雑感です。

一度観ているとはいえ、もう数年前のことなので笑いどころ以外で覚えているのは粗筋だけ。
お小姓の印南数馬に一目ぼれした大川友右衛門が恋文を渡す場面とか、コメディタッチの濡れ場とか、友右衛門の切腹シーンの勧進帳・・否、「肝腎腸」(←実はこの場面、今回はどんな風になっているのか期待していました)とか・・・(笑)

観ているうちに少しずつ思い出してきましたが、もしかして前回に比べて少し短くなった?
特に前半、数馬の父親が殺されるに至った経緯が端折られているような気がしました。確か前に観た時は「榎本村」というのが出てきて、それに反応した記憶があるんだけど、今回はどうも出てこなかったような気がします。
それでももちろん筋は分かったし、前のも全然覚えていないので、特に問題はなかったです。前回は前半がかなり長かったように記憶しているので、これぐらいでちょうど良いのかもしれません。

それ以外でも後半冒頭のギャグ?が以前とはかわって、浅田真央ちゃんの悔しい銀メダルのネタなど時事的な話題だったり、シャネルやD&Gなんて言葉が飛び出したりしていました。

ちょっと気になったのが、数馬と友右衛門が一緒になって数年後、友右衛門の妹の家で仇の名前が出た時に数馬が反応した理由を友右衛門が理解できずに質問していたのには、違和感がありました。
何年も一緒に住んで、いまだにお手手つないで歩く仲にもかかわらず、恋人のあだ討ち相手の名前を知らなかったのはなぜ??

濡れ場で笑いをとるのはお約束ですかねw
ただ、場所柄か大阪と比べてお客さんの笑いの反応が控えめなように思いました。
大阪のお客さんは本当に可笑しくて笑うという感じでしたが、東京はなんと言えばいいんでしょう。面映いというか照れくさくて笑うというか・・・

もうひとつはっきり覚えていたのは友右衛門が火事場で大事なご朱印状を守るために腹の中に入れる場面。
前回はここで「これが肝臓、これが腎臓、これが腸」「肝・腎・腸」で笑いをとって、びっくりだったんですが、今回はこれがなくなって、真面目路線にかわっていました。
どちらかといえば、こっちの方が好きかも。

最後はシリアス路線でしたが、全体の作風はやはり前回と同じく笑いをとる方向性なのかなと思いました。
チラシの写真やキャッチコピーと実際の舞台は乖離があるような気がしますが、軽いノリで「ボーイズラブ」と敵討ち話を楽しむにはいいのかもしれません。

More(以下、余談)
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by icewine5 | 2010-03-14 00:23 | 観劇・音楽鑑賞・博物館