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晩酌を楽しむような気持ちで日々の思いを書き綴りたいと思います。


by icewine5

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パリ・オペラ座バレエ団 日本公演 シンデレラ

ずっと楽しみにしていたパリ・オペラ座バレエ団日本公演「シンデレラ」を観てきました!
美しいダンサーたちの演技にうっとり。殺伐とした毎日から一瞬逃避することができ、至福のひとときでした。

「シンデレラ」(全3幕)
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
振付:ルドルフ・ヌレエフ
装置:ペトリカ・イオネスコ
衣裳:森英恵
照明:グイード・レヴィ
1986年 パリ・オペラ座初演

◆主な配役◆
シンデレラ:マリ=アニエス・ジロー
映画スター:カール・パケット
二人の義姉:メラニー・ユレル、ステファニー・ロンベール
継母:ジョゼ・マルティネス
ダンス教師:マチアス・エイマン
プロデューサー:ヴァンサン・シャイエ
父:エリック・モナン

演奏:東京ニューシティ管弦楽団
指揮:コーエン・ケッセル

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パリ・オペラ座バレエ / コロムビアミュージックエンタテインメント


ダンサーはもちろんみんな素敵♪たっぷり目の保養ができました。
大柄なジローのシンデレラも継母たちにいじめられている時は可憐な少女、女優としての登場シーンでは大人っぽく変身していて良かったです。
それに映画スター役のカール・パケットがまさに王子様っぽくていい感じ。手足の長さに感動です。
今回、バンジャマン・ペッシュが怪我で休演になったのは残念でしたが、マチアス・エイマンのダンス教師も敏捷な感じで役にぴったりでした。

バンジャマン・ペッシュは色気があって個人的にはとても好きなので、彼の出演も楽しみにしていたのですが怪我はダンサーにつきものだから仕方ない。次のチャンスを待ちます。
こうなったら行かないつもりにしていた今年のエトワール・ガラのチケットをやっぱり取ろうかな・・・
DMの小さい写真ではなくて、大きなチラシでばっちりポーズを決めたエトワール達の姿を見ると無性に観たくなってきました。

ヌレエフ版シンデレラの舞台設定は1930年代ハリウッド。
王子様のかわりに映画スター、シンデレラに魔法をかける仙女はプロデューサーということになっています。
舞台がかわっても基本的な人物構成や大枠のストーリーは原作通りなので予習していなくても充分にわかりました。

要所要所で当時の映画作品や映画業界の人たちのパロディもあったりするので、30年代の映画に詳しい人なら、すぐにピンとくるのでしょう。私は残念ながらこの当時の映画はあまりよく知らなくて、シンデレラがチャップリンの真似をしたところやキングコングぐらいしか分かりませんでしたが、後ほどプログラムを見ると他にも様々な作品が舞台上で再現されていたようです。

さらにプログラムにはプロコフィエフのオリジナル版とヌレエフ版の場面ごとの細かい対応表が掲載されていたので、見比べてみるのも面白かったです。

舞台装置もハリウッドっぽい雰囲気があって楽しめました。
1幕後半のファッションショーのシーンではピンナップ・ガールの巨大な看板が3枚。
もちろん、原作のアイテムもしっかり取り入れられていて、巨大なかぼちゃが登場したと思ったら、それが形をかえてかっこいいオープンカーになるのも面白い。
2幕の撮影現場ではまさかバレエで巨大キングコングもどきを観ることになるとは思ってもみませんでした(笑)

森英恵の衣装も素敵でした。
シンデレラが第2幕の撮影現場に現れたシンデレラの服装もバレエの基本的な衣装路線を押さえつつ、羽織ったジャケットが1930年代風を表現していたのはさすがでした。

小物も凝っていて、シンデレラのガラスの靴がとてもキラキラしていて美しかったのが印象的です。
見ていて欲しくなりました。
ガラスの靴をはいて登場したシーンでは、普通のトゥーシューズではなくて踊れるのかと思ったら途中で着替えていました。舞台上で衣装替えするシーンがなんどかありましたが、舞台のつなぎがうまいなと思います。舞台中央ではちゃんと別の登場人物たちのダンスで話が流れていて、その横でメイド役のダンサーたちがシンデレラの着替えを手伝うのだけど、それが案外違和感もなく自然に舞台に溶け込んでいるんです。

キャラクター設定に関しては、シンデレラをいじめる継母と連れ子の姉二人がとても滑稽で作品の中でのピエロ役的な存在でとても目立っていました。本来のおとぎ話の継母たちとは大分イメージが違います。

シンデレラの二人の義姉は、登場人物の中でもひときわ目立つショッキングピンクとブルーの衣装を着ていてどことなく幼稚っぽい。がさつで品性の無い子どもくさい演技に二人の義姉の性格がよく表れていました。
手足のパタパタした折り曲げ方や幼稚臭い動きから日本の若い女の子でたまにみかけるぶりっ子的で幼稚な仕草をデフォルメした要素にお笑い芸人的な要素を足して2で割ったような感じといったところでしょうか。
あっ、もちろんダンサー本人がということではなく、そういう風に見える演技をしているということです。こういう表現は優雅に踊るよりも難しかったりするのではないかと素人ながらに思うので、逆にこの二人のダンスは見ていてすごいと思いました。

継母のキャラクターも笑えます。
娘二人をなんとか映画女優に仕立てようと必死なんだけど、その方向性がどうにもずれている。
第3幕で映画スターがガラスの靴を持って家にやってきたとき、娘達だけでなく自分までも試してみようと映画スターのところに飛んでいくのには客席からもどっと笑いがおきていました。
男性ダンサーが演じているというのも納得です。

彼女達のキャラクター設定とその存在によって、逆に本来の継母による児童虐待の陰惨さが薄れて、舞台が楽しい雰囲気になっていたように思います。

笑いといえば、ハプニングだったのか、もともとそういう設定だったのか。
第3幕で義姉達とシンデレラが3個のオレンジの取り合いをしているシーンで義姉の投げたオレンジ(実際はボールみたいなもの)がオーケストラピットに落ちてしまいました。
シンデレラが舞台に腹ばいになって演奏中のオケの団員に「取って。」とお願いしたんですが、その人が拾って彼女に渡そうとしたところで、うまく渡せずまた落ちてしまって、別の団員が拾ってシンデレラに渡していました。
その様子が可笑しくて客席からは笑い声。
舞台上はちょうど義姉達の踊りの場面だったのですが、多分お客さんの視点はこのオレンジのボールに集中していたと思います。
恐らく想定外のハプニングだったんだろうと思いますが、もしかして元々の演出だったのかな?2回見れば分かるんだけど。

マリ=アニエス・ジロー演じる主役のシンデレラですごいと思ったのは彼女が女優モードで登場するシーンでは華やかでとても大きく大人びて見えるのに、みすぼらしい格好で継母達にいじめられている時は小柄に見えたこと。
服装や一緒に踊る相手との対比もあるし、舞台から離れているからというのもありますが、やはり彼女の踊り方によるところが大きいと思うのです。

シンデレラの踊りそのものは技を披露するというよりも優雅で大人しめな印象でした。
しっとりとした踊りが印象的。比較的大柄なダンサーなので、こういう踊りがしっくりくるのかもしれません。

第3幕で無事、映画スターと再会を果たし、女優への道を進むところでクライマックスを迎えるわけですが、その場面の二人の踊りもしっとりしていて良かったです。

ただ、ひとつ残念なことがありました。舞台下手から風を受けて白くて細長い布がたなびく演出がありましたが、私の耳のせいでなければ、風を送る装置の音なのか?モーター音のようなものが音楽と混じってかなり目立っていたのが残念でした。
最初、太鼓の音なのかと思ったけど多分違うと思います。

ま、そんな細かなところは目を瞑るとして、全体としては本当に楽しくて美しくて素敵な公演でした。
オーソドックスな演出のシンデレラも観てみたいものです。




最後に公演内容とはあまり関係の無い余談を少々。

今回、公演の最中に、踊りの合間の拍手時に「大向こう」(と言うのかな?)をかける男性の声がして、熱心な男性ファンがいるものだと気になったのですが、カーテンコールで客席が明るくなった時に分かりました。
私の席は2階のL列だったので1階客席後方も見渡せたのですが、大向こうの人たちはそこにいました。
席に座っている人ではなく後ろで立っているスーツ姿の男性数人。
どうもお客さんではなくて、関係職員のような雰囲気。もしかしたら場を盛り上げるためにこの公演を主催しているNBSの職員が誰かが掛け声をかけていたのでしょうか。
今までも場が盛り上がったり見事な演技の時には自然と客席から賞賛の声があがることはあったので、特に気にならなかったのですが、なぜか今回は上演中からなんとなくそれが不自然に感じられて、一体誰が声をかけているのか気になりました。

余談ついでにもう1つ。
バレエの楽しみは幕間の時間にアルコールを飲みつつお客さんウォッチングをすることにもあります。
今回改めて思ったのですが、バレエ観劇のお客さんは相対的に服装センスが良いと個人的には思うのです。
かなりおめかししている人もちょっとしたお出かけ着の人もカジュアルな服装の人もそれぞれお洒落だなと思う人が多いような気がします。
中には頑張っているんだろうけれど、なんかずれてるという人もいますけど、まあそれはどんなコンサートや舞台でも見かけますからね。
1週間前に歌舞伎観劇をしたので今回それをよりいっそう実感。年齢層が違うから当然なのかもしれないですが・・・
と、自分の事は棚にあげて偉そうな事言ってしまいました。

とにかくバレエは生で観ると色々な発見もあるし、目の保養になるし、観れば観るほど楽しくなります。
by icewine5 | 2010-03-15 00:02 | 観劇・音楽鑑賞・博物館