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晩酌を楽しむような気持ちで日々の思いを書き綴りたいと思います。


by icewine5

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総裁選「靖国論争」&おまけで榎本さんの軍服

自民党総裁選の論議の中心は、時節柄もあるでしょうけど今のところ靖国問題がメインですね。

今週の週刊現代に掲載されていたジャーナリスト松田賢弥氏のノンフィクションレポート「安倍晋三空虚のプリンスの血脈」を読んでいたら、ちょっと気になる情報をみつけました。安倍晋三の父方の叔父でみずほホールディングス元会長の故・西村正雄氏が甥の政治姿勢に懸念を抱いていたというインタビューを元にした記事です。

西村氏は晋三に「靖国神社に参拝すべきではない。心の問題だという理屈は国際的に通用しない」旨を警告していたそうです。
「西村氏は死の間際まで、悲惨な戦争の実態が風化し、美化されることへの危惧を抱いていた。そして、晋三の靖国神社参拝に異を唱えていた。」<週刊現代8/19、26号より引用>

記事には上のように書かれており、この西村氏の考え方は至極まっとうなものに私には思えます。
彼が晋三にあてた手紙の中身についても触れられていましたが、その中で
「偏狭なナショナリストと離れろ。(略)靖国神社の付属施設「遊就館」では、太平洋戦争はルーズベルト米大統領に騙された陰謀だというビデオが上映され、戦争を美化して正当化しているのだ。(略)」<週刊現代8/19、26号より引用>

「米大統領に騙された陰謀!?」いまどき、本気でそんなビデオを流してるのか・・・と驚くとともに、「遊就館」なる施設が一体どんなものなのか、気になってHPを見てみました。




う~ん、靖国神社、遊就館のHPいずれも読めば読むほど、首相はもとより政府関係者の靖国神社参拝はマズイなあという思いがこれまで以上に強くなりました。
もちろん、人によって色々な見方があるのは承知していますが、私個人の思いとしては、ここまで太平洋戦争を美化する思想に危機感を覚えずにはいられません。

全国紙の社説をいくつか読みましたが、自分の考えに一番近かったのは朝日新聞8月9日の「安倍氏も土俵にあがれ」かな。
麻生氏、谷垣氏が靖国神社の首相参拝についての私見をはっきりさせたのに対して、安倍氏は「言うつもりはない」といって逃げ切ろうとしていることを批判すると同時に、朝日の見解として、新たな国立追悼施設をつくるしか打開策はないのではないか、というものでした。

麻生氏の私見である靖国神社に自主解散してもらい、特殊法人にするという案は一見、妥当なように見えますが、色々問題を抱えているように思います。
それについては日経の社説「靖国神社のあり方論議を深めるべきだ」で端的に述べられていました。
靖国が国の施設になった場合、完全に宗教色を排除できるかが疑問であり、形式だけ宗教法人ではなくなっても実態が神社であれば憲法に違反するという論調です。

確かにそうなる可能性は強いし、形式だけ特殊法人で中身が変わらないのであれば、現在以上に問題は大きくなるように思います。
そもそも靖国側が自主解散に応じることがあり得るんでしょうか?麻生氏は靖国側に打診はしたそうですが・・・

で、一番納得できなかったのは産経新聞。
まあ、産経の論調は当然ながら「A級戦犯分祀論」には否定的。「靖国神社は日本の精神文化」と言い切るところが怖い・・・

やはり、別途、国立の追悼施設を作り、誰もが気兼ねなく戦争の犠牲になった人々の冥福を祈ることができる場所とする事が妥当な気がします。
その際にはA級戦犯の扱いをどうするのかきちんと論議して決める必要があるかと思います。
私個人的には国の追悼施設にA級戦犯は入れるべきではないと思いますが、もしも死んだ人間まで区別するのはおかしいというのであれば、それこそ新選組や彰義隊など戊辰戦争で「官軍」と戦った人たちや西南戦争で自害した西郷隆盛も一緒に入れるべきでしょう。これは新選組ファンとしての思いでもありますが(笑)

最後に、遊就館のHPで1つだけ収穫がありました^_^;
ここには榎本武揚の軍服が展示されているのですね。
ほかの展示はきっと実際に見たらイライラしそうだし、靖国神社の中に足を踏み入れる事自体、私の気持ちとしては嫌なんだけど、この榎本さんの軍服だけは見てみたいです。
by icewine5 | 2006-08-09 23:26 | 歴史・新選組関連